LGBTQ、いわゆる性的少数者への理解を深めてもらおうという映画祭が12月、福井市内で開かれた。自分たちの生き方や率直な思いを伝えたいと、当事者たちが企画した。偏見や差別のない平等な世の中を目指している。

「結婚しないの?と言わなくなった」

上映されたのは、1980年代のイギリスの炭鉱ストライキを支えたゲイやレズビアンたちを描いた作品や、ゲイの男性と児童養護施設で育った青年が親子として生活を築くドキュメンタリー。LGBTQの当事者やその支援者らでつくる「なろっさALLY(アライ)ふくい」が企画し、今年で3回目となった。

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上映後、男性への同性愛をカミングアウトしているユーチューバー・かずえちゃんと主催するメンバーがトークショーを開いた。

かずえちゃんが、メンバーにLGBTQの活動を始めて変化があったか聞くと…

主催メンバーの女性:
見た目が男性の人に対して、彼女いないの?とか結婚しないの?とかこれまでは平気で言っていた。でも今は絶対に言わなくなった。そもそも恋愛をしない人もいるし、日本では同性同士の結婚ができないので結婚が当たり前という考え方もなくなった

主催メンバーの女性:
自分が子供を亡くしたというマイノリティなので、アライ(支援)という活動をしている。最初はLGBTQの人に何かしてあげたいとか支援したいと思っていたが、活動をする中で自分自身のためにやっているのだと思い始めた

上映後のトークショーで語る主催メンバーたち
上映後のトークショーで語る主催メンバーたち

メンバーも活動を通し、大きな心の変化があったようだ。

一方、来場者の中には息子がゲイだと話す人がいた。

息子から「自殺したかった」

映画をみた女性:
(息子に)カミングアウトされた時から、別に変わったことでもないと思った。今まで自分で抱え込んで「自殺したかった」と言われ、それがショックでした。悪いことしているわけでもなく、皆さんにもっと知ってほしい

他の来場者からも「皆さんに気軽に知ってもらえるし、(映画祭を)継続するのはいいことだ」という意見や「生きづらそうな人たちが多いが、みんなが生きづらいのはおかしい。自分の考えを惑わされない知識がほしい」など映画祭に対する肯定的な意見が多く聞かれた。

映画祭を終えたかずえちゃんは、差別や偏見のない世の中に少しでも変化してほしいと話した。

温かさをもって歩み寄って!

かずえちゃん:
みんながカミングアウトできるわけではないし、言えない人たちもたくさんいる。(LGBTQの人たちと)共に生活をしていることを一人一人が認識する。
知らないと「自分の言葉で傷つけてしまったらどうしよう」とか、「間違ったことを言ったらどうしよう」と会話を避けると思う。そうでなく、“同じ人”なんだから温かさをもって歩み寄っていってほしい

11月1日、福井県は同性カップルなどの関係を公的に認める「パートナーシップ宣誓制度」を導入した。県内では越前市、永平寺町など8市町で導入しており、他市でも導入が予定されている。

すでに制度が導入された8市町
すでに制度が導入された8市町

(福井テレビ)

福井テレビ
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