アニメや動画の制作など自分の好きなサブカルチャーを仕事に。

障害のある人の就職を応援する動きが北海道で広がってきている。

好きなサブカルを仕事に

アニメやキャラクターデザイン、動画編集など「サブカルチャー」に特化した就労支援を行っている「でじるみ」だ。

11月に札幌市厚別区でオープン。障害のある人が対象の施設で体験見学会には約30人が参加した。

「事業所は転々としていた。合う、合わないがある。ここは自分が元々好きだったイラストやチラシ作りができるので来ようと思った」(利用者の20代男性)

この男性は「でじるみ」に通い始めて約2週間で、多くの作品を作っていた。

「これがオリジナルキャラクター。棒立ちだと勢いが出ないので、ポージングを考えた」(利用者の20代男性)

最初の頃に描いた棒立ちのオリジナルキャラクター。

ポージングや背景を加えることで、同じキャラクターでも躍動感が感じられる。

体験見学会では16歳の時に事故で両足を失った、車いすユーザーのモデルでインフルエンサーの葦原海さんが講演した。

「イラストを描いている人がたくさんいるのにもかかわらず、知られてないのはもったいない。私もモデル活動の時に大変な思いをした。知られる機会があることは素敵なこと。好きな気持ちを素直に生きてきた結果、今があると思ってる」(葦原海さん)

インフルエンサーやプロの漫画家・イラストレーターが支援

「でじるみ」の特徴の一つは、葦原さんのようなインフルエンサーやプロの漫画家、イラストレーターが応援団として活動を支えていることだ。

「ラブひな」や「魔法先生ネギま!」などで知られる漫画家の赤松健さんも応援団の1人だ。

「絵を楽しんで、人を喜ばせてほしい。人が喜ぶと何が起こるか?みんなが幸せになる。ぜひ実現して頂きたい」(漫画家 赤松健さん)

「でじるみ」はこの厚別区の施設を含め、2023年2月以降、北海道内で6つの事業所を運営。

北海道外では名古屋など5つの事業所を展開している。

すぐに利用者が定員に達してしまうため、今後は苫小牧や札幌市東区でもオープンを予定している。

「昔から描くのは好きで、イラストの仕事したいなと思っていた時期があった。途中でデジタルにつまずいちゃって1回諦めた。将来フリーランスで仕事をしたい」(利用者の30代女性)

諦めた夢 もう一度

イラストの描き方などを教えるのは「でじるみ」の福祉支援員や提携している学校法人の講師だ。

利用者の中には絵を描くことの楽しさを思い出し、諦めていたイラストレーターなどの夢に向かって、もう一度挑戦しようという人もいるようだ。

「本物の技術に触れて、少しでもできることを増やし、社会に還元できる側になって、稼いでいけるという光が見える人を増やしていきたい」(メディアソリューション 平間栄一 取締役)

「でじるみ」という名称には「デジタル」技術を活用して、障害がある人の光=「ルミエール」になれるようにという思いが込められている。

北海道文化放送
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