3年前に一軒宿の閉館して以降、活用されていなかった山形・米沢市の秘湯「五色温泉」が、日帰り入浴施設の営業を始める。オートキャンプ場として整備が進み、2024年5月の本格オープンを予定している。
開湯は1300年前とされる秘湯
日帰り入浴施設として12月10日にオープンするのは、米沢市板谷の五色温泉。福島との県境近くの山の中にあり、秘湯のひとつとして知られている。
この記事の画像(13枚)開湯は1,300年前とされ、明治時代に旅館の営業が始まった。
当時は周辺に、国内初の民間スキー場「五色スキー場」や、皇族専用のロッジがあり大いににぎわったが、いずれも約20年前に閉鎖された。また3年前には、唯一残っていた旅館も閉館し、秘湯の温泉は活用されなくなった。
オートキャンプ場としてリニューアル
その土地と建物を取得して五色温泉の再整備に乗り出したのが、高畠町で燃料などを販売している「まごころ住設」。
まごころ住設・西方茂太社長:
キャンプ場をしたいと思って、3年ほど前から探していたが、いい所がなかった。そんな折、ここが廃業するという話を聞いた。「この温泉を守りたい。五色温泉を守らせてください」と、引き継がせていただいた
国の再構築補助金を活用し、約1億5,000万円の費用をかけて大浴場とサウナを備えたオートキャンプ場にリニューアルされる。オートキャンプ場は2024年5月の本格オープンを目指し、現在整備中だ。
来シーズンからは、冬のキャンプや雪遊び体験なども本格的に始める予定で、国内はもちろん、外国人観光客も呼び込みたいとしている。
まごころ住設・西方茂太社長:
「こんな所も米沢に・置賜にあったんだ」という目線で、多くの人に訪れていただいて、外でバーベキューをしたり、温泉に入ったり、食事をしたりと、多くの人の要望に応えられる施設にしていきたい
「継いでくれる人がいてよかった」
新たな出発を10日に控え、8日五色温泉に姿を見せたのは、3年前まで最後の旅館を営んでいた宗川好一さん。一度は利用されなくなった温泉に、再び多くの人が訪れることを誰よりも願っていた。
元旅館経営者・宗川好一さん:
小さい時から入っていたお湯だから味わいがある。うれしい。継ぐ人がいなければ五色温泉が途絶えた。お湯だけが出て…。継いでくれる人がいてよかった。
歴史ある五色温泉が迎えた再出発。山あいの秘湯のにぎわい復活への取り組みに期待したい。
(さくらんぼテレビ)