岡山・笠岡市の市長に浮上したパワハラ発言疑惑。6日、市議会で実際の音声データが公開された。この音声について、市長は自分の声であると認めるも、強い口調は「パッションの表れ」だと主張している。
市議会で公開された“パワハラ”音声
硬い空気の中で取り出されたタブレット。6日、岡山県の笠岡市議会で急きょ公開されたのは、市長がパワハラ発言をしたとされる音声だ。
この記事の画像(20枚)(笠岡市議会が公開した音声データ)
小林嘉文市長:
いいかげんなこと言うなおまえ。軽トラに乗せられないけどいいんだよ。これいくらするんだって俺が言ったって言うのか。なあ!ばかみたいなこと言うなよおまえ。ナンセンスなんだよ。
公開されたのは、職員を叱責する音声。この声の主とされるのが、笠岡市の小林嘉文市長だ。匿名の職員から議会に提出されたとして、急きょ特別委員会で審議される事態となった。
市議会によると、この音声は2020年に提案された補正予算案をめぐる市の職員とのやり取りだという。市民に貸し出す草刈り機の購入費が、議会に削除されたことを受けての発言とみられる。
(笠岡市議会が公開した音声データ)
小林嘉文市長:
なんであんたそんなこと、何の権限で市長に向かって「言うこと聞きません」って言えるの?なんで0・100でしか物事を考えられないの、あなたは。
「私の声」と認めるも「パッションの表れ」と主張
渦中の市長が取材に応じ、実際の音声が自分の声であると認めた。
小林嘉文市長:
これはもう私の声ですね。怒ってるなぁと思いますね。パッションの表れだと思いますけどね。
音声は自分の声だと認めたうえで、強い口調は 「笠岡を変えたい」という「パッションの表れ」だと主張。発言がパワハラにあたるかどうかについては、発言時のくわしい状況がわからないため判断できないとした。
この発言はパワハラにあたるのか。
弁護士法人橋下綜合法律事務所の松隈貴史弁護士は、「みんなの前で言ったのと、1人だけ呼び出してちょっと強めに言ったというのでは、全然(パワハラの)成立余地が変わってくるというところです。どのように受けたかという、その人の内心も聴き取ったうえでの最終判断になる」との見解を示した。
また、笠岡市民からは「言葉はきつい感じかな」「怖いわなあ。初めて聞きました。怖い」といった声が聞かれた。
市の特別委員会は、今回の音声データを市の人事課に提出し、今後の対応を委ねるとしている。
(「イット!」12月6日放送より)