おひつに入れたご飯の上に細かく刻んだ素材をまぶす「まぶし」料理といえば、名古屋めしの代表格、うなぎの「ひつまぶし」が有名ですが、牛肉にエビ、カレーまで、名古屋めしの「まぶし化」が進んでいます。調べてみると納得の理由がありました。
客も最初は不思議がっていた…「牛肉まぶし」と「ハンバーグまぶし」
愛知県稲沢市の「肉究亭(にくきゅうてい)」は、2023年にオープンしたばかりのお店です。
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牛肉のひつまぶしが看板メニューで、人気を呼んでいます。
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「牛ひつまぶし昼膳(2280円)」は白いご飯が見えないくらい、肉がびっしりです。
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食べ方はウナギのひつまぶしと同じで、1杯目はそのまま食べます。
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お肉は口の中で溶ける柔らかさで、タレの味が染みたご飯がすすみます。
2杯目は薬味を添えて、3杯目は、だしをかけていただきます。
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ワサビとの相性がよく、洋風のステーキが一気に和風に変わったようです。
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肉究亭のスタッフ:
最初は不思議がって皆さん食べられるんですけど、「おいしかった」といって帰っていただけるので。好評かと思います
肉究亭には「まぶし」のメニューがほかにもあります、「ハンバーグまぶし」です。
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「和牛と黒豚のハンバーグまぶし昼膳(1680円)」。1000円台で味わえるということもあり、このハンバーグまぶしも人気だといいます。
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食べ方は同じく3通りです。
食べ方「4通り」も…たっぷりの「えびまぶし」
「まぶし化現象」は肉だけではありません。名古屋市熱田区のえびせんべいの店、「桂新堂(けいしんどう)」もそのひとつです。
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桂新堂は金山駅前にある、慶応2年(1866年)創業のえびせんべい店です。
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「まぶし」を注文すると、おひつではなく高級感のある木箱が出てきました。
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蓋を開けると、ごはんがエビでおおわれた「えびまぶし」です。
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「海老まぶし膳(2420円)」は具材にたっぷりの車エビを使い、ごはんには赤エビのそぼろをまぶしてある、まさにエビ尽くしです。
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1杯目、そのままで食べるとエビの良い香りと、噛めば噛むほどエビのうま味が口の中いっぱいに広がります。2杯目は、ゆずこしょうとネギを添えて。しかし3杯目は、だしではありません。卵にだし醤油をかけた「卵かけごはん」です。
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卵のコクがエビによく合い美味です。
そして4杯目を、だし茶漬けで食べます。
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広がっている「まぶし」ですが、2023年5月、中区栄にオープンした「森のカレー」では、カレーにだしがついた「カレーのひつまぶし風」が登場しました。
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カレーにダシという斬新な組み合わせが話題となり、名物メニューになっています。
名古屋めしの代表格「手羽先」もまぶしに
そして代表的な名古屋めしでも「まぶし」メニューが誕生していました。訪れたのは「世界の山ちゃん」の名駅新幹線錦口店です。
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「世界の山ちゃん」が出しているのは、「手羽先」のまぶしメニューです。
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蓋を開けると、ごはんの上に乗っていたのは骨を抜いて食べやすくした一口サイズの手羽先です。
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「手羽まぶし(1300円)は、骨を抜き食べやすい大きさにカットすることで、まぶしとして味わえるアレンジメニューです。
1杯目はそのま食べて、2杯目は温泉卵をかけます。
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温泉卵と手羽先の特別なタレが、よく合います。
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3杯目は通常と同じです。
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薬味とだし茶漬けでいただきます。
名古屋グルメの専門家に聞いた「まぶし化進行」の理由
「まぶし」が増えている理由について、名古屋のグルメに詳しいライターの大竹敏之さんに聞きました。
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大竹敏之さん:
名古屋めし全般に共通することで、味の濃さがあると思います。うなぎ以外でも濃い味付けが多いので、細かくしたりお茶漬けにしても、味がしっかりしている。だからまぶしにしやすいってことじゃないでしょうかね
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大竹さんは、うなぎやみそかつなど、名古屋めしは味が濃いため、まぶし用に細かく切ったりダシをかけても、味がしっかりと楽しめるのが「まぶし化」が進んだ理由ではないかといいます。
ステーキやハンバーグなど、名古屋めしではないもののまぶし化が進んでいることについて大竹さんは「うなぎのひつまぶしというブランド力があり、まぶしというアレンジをすることによって、売り出したいメニューにしやすい」と説明します。
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数ある名古屋めしの中でも、代表格的な存在ともいえるひつまぶしの知名度にあやかり、メニューにまぶしとつけることで、地元の人はもちろん観光客にもアピールしたいという狙いがあるではないかということです。
2023年6月27日放送
(東海テレビ)