大分県の南部に位置する佐伯市米水津。南海トラフで巨大な津波が襲ってくるとされているこの地域では、水産加工会社などが外国人技能実習生の雇用を進めている。地域に住む外国人をどう守るか…その取り組みを取材した。

外国人実習生を津波から守るには

南海トラフ巨大地震では地震発生からわずか30分ほどで最大12.76mの巨大な津波が襲ってくるとされている、大分県の佐伯市米水津。

「米水津という地域には技能実習生がたくさん来ていて、特にこの色利浦地区でたくさんの人が従事している」(佐伯市米水津振興局 榎英樹さん)

佐伯市米水津振興局 榎英樹さん
佐伯市米水津振興局 榎英樹さん
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米水津の水産加工会社などは高齢化などによる人材不足への対策として15年ほど前から外国人技能実習生の雇用を進めている。
現在、地区の人口約1600人のうちの100人ほどが外国人技能実習生。

迅速な避難に不安を抱える実習生も

水産加工会社で働くベトナム人実習生のタインさん。
日本に来て3年目で、魚を干物用に加工する仕事をしている。
日本語での日常会話は特に困ることはないそうだが、漢字を読むのはまだ難しいという。

ベトナムからの技能実習生 タインさん
ベトナムからの技能実習生 タインさん

また、同僚には日本に来て間もない実習生もいて、地震など災害が発生した場合、迅速に避難できるか不安を抱えている。

地元の商工会では外国人の実習生向けに定期的に日本語教室を開き、その中で防災教育も行っている。

多言語の看板を設置

さらに、災害に備え市は、ことし9月に米水津地区の4か所にある看板を設置。
外国人実習生が一目で分かるように避難場所を日本語のほかベトナム語とインドネシア語、ミャンマー語でも表記している。

「看板は便利と思う。意味がよく分かるから。漢字はちょっと難しいから読めないです」(ベトナムからの技能実習生タインさん)

米水津振興局の榎さんは「外国人実習生が安心して従事できるのであれば、この米水津という地域を選んでもらえる。この看板がそういった面でも波及効果があればうれしい」と話し、こうした多言語の看板を設置することで、地元の住民にも外国人技能実習生が多く住んでいることを知ってもらい避難の際の助け合いに繋がればと考えている。

(テレビ大分)

テレビ大分
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