政府が放出した随意契約の備蓄米。福岡でも手に入れづらいものの販売が行われているが、備蓄米そのものが底を尽きつつあり、2025年秋の新米価格が注目されている。

消費者「3千円台に下がって…」

6月に入って福岡の小売店の店頭でも備蓄米が並び、2千円前後の価格で販売されている。「最も力を入れなければならないのは米だ」と力説していた小泉進次郎農水相。就任から1カ月が経つ。コメの価格について福岡の街で聞いてみた。

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60代の女性は「備蓄米は安いのかもしれないけど、今まで買っていたお米はあまり下がっていない気がする。農家の方も私たちも両方いい感じにしてもらいたい」と話す。

また別の60代の女性は「そろそろ(家の)お米が切れるんだけど、もう少し待っていたら下がるかなって思って…。それから新米が昔のように、昔まではいかなくても3千円台に下がってほしい」と話す。

生産者「思ったほどの利益はない」

福岡の新米はどうなっているのか。福津市の農園では5月に田植えを終えた早場米のコシヒカリが、高さ50センチ程に育っていた。農園を営む桒野由美さんに早場米の収穫時期を尋ねると、8月下旬から9月初旬の予定だという。

早場米に加え秋に収穫する普通米。例年同様、飲食店やスーパーなどに直接販売する予定となっているが、2025年は今のコメ不足を背景に新米の取り引きが前倒しの状況となっていた。

「今年は今、注文を受けている分でストップする予定です。少し余裕があれば個人の方に販売するかもしれませんが、今はもう契約でいっぱいです」と話す桒野さん。新米は2024年に比べて高い価格での販売を予定している。肥料や燃料費などの高騰や人手不足などの影響で、経営環境が厳しさを増していることが大きな理由だ。

桒野さんは「(2024年の)2倍です、単純に。2倍くらいになっています。収入はプラスになるが、経費も高くなっているので思ったほど利益はない」と話す。

安い備蓄米の放出が限界に近づき新米争奪戦も激しさを増すなか、コメの価格と供給をどう安定させるのか。次の一手が注目されている。

(テレビ西日本)

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