大分県大分市の中心部では今、大型のマンション建設が相次いでいる。販売価格は上昇し、不動産関係者からは「バブルのころよりも高値」という指摘も…その背景などを取材した。

県内最大規模のマンション建設中

大分市南春日町の温泉施設跡地にJR九州が建設中のマンションのモデルルーム。
部屋の数は220戸と県内最大規模。
販売価格は最高で6300万円ですが、売れ行きは順調で、すでに100件近くの契約が決まっているという。

この記事の画像(5枚)

「隣にはスーパーがあるし、110%を超える平置き駐車場があったり、共用部がたくさんある。おそらくこういったところで大きく差別化ができることを我々としても自信を持っている」(JR九州 岩本周平課長)

「タワマン」建設中、「億ション」も

大分市中心部での大型のマンションは、ほかにも…
JR大分駅の周辺部で販売されていたり、計画が進められたりしているマンションは少なくとも10件ほど確認できた。

このうち、末広町での再開発事業ではタワーマンションなどが入った地上27階建てと14階建ての2棟のビルが。

また、駅のそばでは他にも19階建ての「タワマン」建設計画もあり、こちらは1億円を超える、いわゆる「億ション」の部屋も販売される見込み。

街の人からは「億ションは全然想像もつかない世界だが、大分はゆったりしていていいところなのでそういうのを求めて都会から移る人もいるのではと思う」「以前は駅の裏は1千万円は安かった気がする。マンションならば駅周辺がいい、便利だ」といった声が聞かれた。

平均価格上昇「バブルの頃より高値」

不動産経済研究所によると、去年、マンションの1戸あたりの全国平均価格は10年前と比べて約1300万円上昇していた。
マンション用地や建築資材の高騰などが背景にあるとみられる。

県内の不動産鑑定士、安東正二さんは「マンション非常に今高い値段で、私の肌感ではバブルの頃よりも平均価格というのは高くなってるような気がする」と話す。

県内の不動産業界ではかつては「4000万を超えるようなマンションは売れない」と言われていたが、今ではその価格を上回る物件も売れているという。

安東不動産鑑定士は「一番大きな原因としては生活スタイルの変化。皆さんの判断基準が変わってきていると住宅取得者層が都市型の生活スタイルを志向する傾向があってマンションの供給もどんどん行われる」と分析している。

投資目的で県外からの購入が一部あるものの、中心部での暮らしを希望する子育て世代や郊外から移り住むシニア世代が購入を下支えしているということだ。

大分市中心部で次々と建てられる大型のマンション。
乱立しているようにもみるが、需要は堅調で販売価格は当面、今の高値の状態が続きそうだということだ。

(テレビ大分)

テレビ大分
テレビ大分

大分の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。