秋田の文化・芸術の拠点として、2022年秋にグランドオープンした「あきた芸術劇場ミルハス」。開館から1年が過ぎ、新たな感動を生み出す場として、今までにない形での演奏が行われた。一流の演奏家が登場したのは、館内の通路。居合わせた県民が、その音色に酔いしれた。
“若手頂点”のサクソフォンの音色が響く
この記事の画像(7枚)JR秋田駅から歩いて10分ほどの、秋田市の千秋公園近くに「あきた芸術劇場ミルハス」はある。2022年9月、秋田県民会館と秋田市文化会館を一体化した施設としてグランドオープンした。文化と芸術を発信する拠点だ。
館内に美しいサクソフォンの音色が響き渡る。演奏が行われたのは館内のホールではなく、広い通路空間「ホワイエ」。あきた芸術劇場ミルハスで行われた初めての試みだ。
4階の通路で演奏を披露したのは、国内の若手アーティストの頂点に位置すると評価されるサクソフォン奏者・上野耕平さん。
上野さんは8歳からサクソフォンを始め、東京藝術大学を卒業した後、国内外のコンクールで上位入賞を果たした実力者。演奏活動だけでなく、テレビやラジオに出演するなど活躍が注目されている。
サクソフォン奏者・上野耕平さん:
いい響きですね。吹き抜けになっていて、1階から4階まで一つの空間がつながっているので、奥行きのある響きもあるし。演奏していたら、1階を歩いていた人がどこから音が聴こえているのかというリアクションが見えて面白かった
一般の来館者:
音の広がりが全く違う。感動した。後ろからも響く感じ
高校生(サクソフォン経験者):
感動で言葉にならない。自分が今後、どのような楽器の音を出していきたいのか改めて考える機会にもなった
“奇跡のような出会いの場”に
母方の祖父母が秋田に住んでいるため、上野さんは、この劇場に特別な思い入れがあるという。
サクソフォン奏者・上野耕平さん:
観客も演者としてもすごく特別な空間に来たと感じるので、その中のいろいろな場所で音楽が聴けることは面白いこと。サクソフォンの音色に、音楽に親しみのない人にも触れてもらいたいと思うので、積極的にこの素晴らしい劇場に足を運んでもらえればと思う
今回の試みを企画した秋田県文化振興課の担当者は、「ミルハスが2年目を進む今、多様なニーズに応えられる場であることはもちろん、突如となく心が動き、人々が共鳴しあう“奇跡のような出会いの場”であることも必要かもしれない」と思いを語る。
秋田に誕生した芸術文化の発信地「ミルハス」。新たな感動との出会いを提供する特別な空間として成長していく。
(秋田テレビ)