大手ホテルチェーン「ヒルトン」が公式YouTubeチャンネルに載せた、あるCMが大きな波紋を呼んでいる。

旅館のサービスをやゆ?旅館の若旦那「悪意ある」

問題のCMはこのような構成になっている。

CM前半部分より。スケジュールを細かく指定する“おかみ”。
CM前半部分より。スケジュールを細かく指定する“おかみ”。
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前半では、旅館を舞台に、おかみらしき人物が登場。宿泊客に対し、早口で入浴や食事の時間を細かく指定する。

一方、後半部分では、夕食の希望時間に対し、ホテルのスタッフが柔軟に対応しているような演出がされている。後半で舞台となっているのは、ヒルトン系列のホテルの中でも上級ブランドであるコンラッドホテルだ。

CMの後半部分では“ホテルのスタッフが柔軟に対応する”という演出
CMの後半部分では“ホテルのスタッフが柔軟に対応する”という演出

まるで旅館のサービスをやゆするようなCMだが、10月後半にネットで公開されたものの、現在は非公開になっていた。

CMを見た街の人からは「結構あるあるだよな」(30代女性)という声もあった一方、旅館側からは憤りの声が聞かれた。

「悪意がある」旅館側からは憤りの声が…
「悪意がある」旅館側からは憤りの声が…

塩原温泉 湯守田中屋 4代目若旦那・田中佑治さん:
ちょっと悪意がある。サービスの違いっていうのは、必ずあってしかるべきだと思う。例えば、「5万円で泊まったホテルでこんなことやってくれた」、かたや1泊5000円の旅館で「なんでそれをやってくれないんだ」と言われても……。

弁護士「景品表示法に違反する可能性」

栃木・那須塩原市の「塩原温泉 湯守田中屋」では、食事の時間は基本的に午後6時から9時の間だが、ある程度は柔軟に対応しているという。

塩原温泉 湯守田中屋 4代目若旦那・田中佑治さん:
多少時間の融通を受けるというのはある。渋滞で到着時間が遅れるとかですね。

競合他社をおとしめかねない今回のCMだが、法律的に問題はないのか。弁護士に話を聞いた。

弁護士の見解は…
弁護士の見解は…

弁護士法人 橋下綜合法律事務所・松隈貴史弁護士:
“ある旅館”みたいなものを前提にして、そこと比べて、一般消費者の方に自分たちの提供するサービスは優良だと、誤認させるような内容に少しなっているような気がする。その部分については、景品表示法に違反する可能性がある。

番組がヒルトン側にコメントを求めたところ、「心温まるホスピタリティを表現することを目的としており、消費者の皆さまに否定的な印象を与える意図はございませんでした」と再発防止に努めるとしている。
(「イット!」11月15日放送より)

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