九州の他県同様、ラーメンが人気な鹿児島県。スープは豚骨、鶏ガラなどが一般的だが、その中でも異色の、鯛でだしを取ったラーメンが鹿児島市でお披露目された。SDGsの一環として開発されたという、そのお味は?

捨てられてしまう“60%”を活用して共同開発

お披露目された「谷山鯛らーめん」は、清湯(チンタン)スープと、とろみのあるまろやか白湯(パイタン)スープの2種類。鹿児島市南部・谷山漁協直営の物産館「七ツ島海宝館」で披露された。

タイのだしに錦江湾の海の幸がのった、谷山鯛らーめん「清湯スープ」
タイのだしに錦江湾の海の幸がのった、谷山鯛らーめん「清湯スープ」
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谷山鯛らーめんは、物産館でマダイをさばき、刺身にする際に出た「骨」や「皮」を利用して作られている。谷山地区の地域活性化とSDGsの観点から、漁協と、鹿児島のラーメン専門チェーン店「アイアイラーメン」が共同開発した。

谷山漁協・横山幸二組合長は、「鯛は歩留まりが悪く、身だけが40%しか出ない。60%が捨てられてしまう。非常にもったいないので活用したかった」と話す。

谷山漁協の横山幸二組合長
谷山漁協の横山幸二組合長

錦江湾(鹿児島湾)はマダイの宝庫として知られているが、実はマダイを使った料理は少ない。横山組合長はこう続けた。「だったら何か作ろうよ、というのがきっかけ」。

だしを取る前に素材を一度焼き、臭みを取るなどの工夫を重ね、捨てられるはずの60%全てがこのラーメンに使われている。白湯スープのとろみは鯛のコラーゲンでつけられていて、トッピングの鯛はもちろん、イワシのつみれに、エビも鹿児島づくし!素材を有効活用し尽くした、ぜいたくな一品だ。

鯛のコラーゲンでとろみをつけた、谷山鯛らーめん「白湯スープ」
鯛のコラーゲンでとろみをつけた、谷山鯛らーめん「白湯スープ」

鹿児島テレビ・山根美乃梨アナウンサー:
すごく口当たりが良いのですが濃厚です。スープにとろみがあるので麺とよくからみ、鯛のうまみがガツンときます

アイアイラーメンを展開する「丸タカ」の久留知晃社長は、「ふるさと・谷山に帰ってきたら鯛ラーメンを食べる、というようなラーメンとして愛されてもらえれば。谷山の飲食店、スナックとかで、シメのラーメンを出してほしいと思います」と、思いを語った。

この「谷山鯛らーめん」、活動に賛同した谷山地区の飲食店にレシピが無償提供され、各店舗で12月から食べられるという。谷山地区の新しい名物となるその日が今から待ち遠しい。

(鹿児島テレビ)

鹿児島テレビ
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