宮崎との県境にある鹿児島県志布志市にある宿泊施設で提供されている「丼」が話題になっている。見た目のインパクトや味だけでなく、SDGsにもつながるメニューだという。そこには、志布志の魅力をダイレクトに伝えたいとの願いが込められていた。

志布志湾の絶景が楽しめる宿泊施設

訪れたのは、志布志市の国民宿舎「ボルベリアダグリ」。施設は志布志市が所有しているが、運営は委託を受けた民間企業が行っている。

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2023年4月からは、全国で同様の施設を管理、運営する三重県の会社が運営することになり、宿泊者だけでなく、地元の人たちに向けたサービスに力を入れている。

「ここは元々、湿地帯で草がボーボー。景色が見えるように整備したので、ぜひ多くの市民に足を運んでもらいたい」と語る皆川英久総支配人。子供たちに遊んでほしいとターザンロープや砂場を無料で開放している。

またドッグランも整備したほか、新たに設置したベンチからは、志布志湾と夕日の絶景が楽しめる。
そして、地元の人にも食べてほしい注目のグルメも誕生した。総支配人も「だんぜんイチ推し」という一品、その名も「海鮮タワー丼」は、名前の通り「高さ」が売りだ。

丼に盛られた大盛りご飯が見えなくなるほど、ブリやタイ、ハガツオなど旬の魚がたっぷり! 刺身の上にまた刺身、どんどん積み上げていく。

「未利用魚」の活用でSDGsにも貢献

丼の高さは上げても値段は高くしないのがモットー。そこには、資源保護やSDGsにもつながるある秘策があった。

料理長が見せてくれたのは、近くの肝付町・内之浦でその日の朝に水揚げされたトビウオだ。でも売れ残ってしまい、魚屋さんが困っているということで、海鮮タワー丼の食材に“仲間入り”することになったという。
狙っていた魚と一緒に網にかかっても通常は廃棄される「未利用魚」を活用しているのだ。

しょうゆやみりんに漬けてくせを抑えることで、この未利用魚も海鮮タワーの一角を担う。

高さ20cm超…味の変化も楽しめる

仕上げに大きなエビをトッピングしたら完成だ。

高さを測ると約21cmもあった。

鹿児島テレビ鹿屋支局・春山たかよ記者:
トビウオがコリコリしていて新鮮なのがわかります! また、漬けなので味の変化が楽しめるのもいいですね

その日の水揚げによってネタは変わるが、常時、10種類前後が乗っている。みそ汁や小デザートの他に、通常520円の温泉入浴券もセットで2000円。1日10食限定だ。

皆川英久総支配人は「志布志と言えば海、景色、夕日とたくさんいいところがありますが、『そこの海から魚が飛んできて丼になったと表現したかった』」とコンセプトを説明した。

豪快な海鮮タワー丼と志布志湾の絶景。秋の行楽シーズンにドライブがてら、志布志に足を運んでみてはいかがだろうか。

(鹿児島テレビ)

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