書店のレンタルコーナーが「インドアゴルフ練習場」に…。次々と新規事業へ参入し、変貌を続ける広島の老舗書店。業界が激動の時代を歩む中、主軸である書籍事業を残すため、未来につなぐ大リニューアルを追った。
成長の見込める新規分野にシフト
惜しまれながら2023年8月16日にレンタルコーナーを閉じた、広島市安佐南区の「フタバ図書 TSUTAYA MEGA中筋店」。9月のセールで在庫商品を一掃し、売り場のリニューアルが行われた。
客：
自分が子どもの時から来てレンタルしたりしていたので、ちょっと寂しい気持ちはありますね
フタバ図書 TSUTAYA MEGA中筋店・田村慎太郎 店長：
未来に向かって新たな姿に変えていくために、苦渋の選択ではあるんですけども…
この店舗は、広島県内を中心に書店を展開する「フタバ図書」の旗艦店として営業してきたが、競争の激しい時代に突入。
主軸である書籍事業を残すためにも苦戦する事業を縮小し、成長の見込める中古ホビーやフィットネス分野などにシフトする大規模リニューアルを決断した。
レンタルコーナーが最新ゴルフ練習場に
レンタルコーナーだったスペースで、2023年の冬から新たに挑むのが全天候型のゴルフ練習場だ。天井からネットをぶら下げ、床には緑のシートをはり、急ピッチで改装工事が進められた。
2021年に経営を一新して以降、“地域の「愉しい」を創る”ことにこだわる中で特に力をいれる新事業の一つである。
フタバ図書 新規事業部・小田剛 課長：
今回、インドアゴルフの施設をオープンするにあたって、事前にこの店舗に来ていただいているお客にアンケートをとりました。その意見を再現することにこだわりました
そして11月、100年以上に渡って地域と歩んだ老舗書店の一部に、広島初となる「TSUTAYA Conditioning GOLF MEGA中筋店」が完成した。
加藤アナ：
インドアゴルフ練習場のブースにおじゃましました。黒を基調としていて、没入感のある空間になっています
8打席ある練習ブースには最新のゴルフシミュレーターを導入。AIがショットを診断する機能や、高解像度カメラセンサーが球の速度や方向、スピンなどを正確に分析することで実際の球質を可能な限り再現する。
加藤アナ：
さらにこちらは個室になっています。中が広いですね！大画面を見ると、まるでラウンドをまわっているような感覚です
個室は1～4名まで利用可能なラウンドルーム。世界の実在コースが大画面に映し出され、ゴルフ仲間と気軽にラウンドすることができる。
地域のプレーヤーに喜んでもらいたい
加藤雅也アナウンサーが個室のラウンドルームを体験させてもらった。
打った球は変なところに飛んでしまったが…
加藤アナ：
おおー、画面上のコースの傾斜に合わせて私の立っている足場も角度がつきましたね
実際のコースで練習しているような臨場感が楽しめ、打つだけの練習ではなくコースでいきる練習を追求できる。ターゲットは40代～50代。「周りの目を気にせずに練習したい」という声などアンケート結果を生かした空間づくりにこだわり、パターの練習エリアもある充実した設備だ。
フタバ図書 新規事業部・小田剛 課長：
完成までの準備期間が長かったので、いろいろな意味でドキドキしています。ゴルフプレーヤーに喜んでもらう空間づくりも進んでいるのでワクワク感があります
インドアゴルフ練習場「TSUTAYA Conditioning GOLF MEGA中筋店」は11月16日にプレオープン、12月1日にグランドオープンする。“未来のフタバ図書”を体現する旗艦店のリニューアル。激動に立ち向かう本屋の新たなカタチとして、どれほど顧客の心をつかめるか注目される。
（テレビ新広島）
