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山下清が海を渡る…貼絵に「ヨーロッパの街並み」が “水面の描写”は圧巻!長崎会場でしか見られない作品の楽しみ方を知っていますか|FNNプライムオンライン
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山下清が海を渡る…貼絵に「ヨーロッパの街並み」が “水面の描写”は圧巻!長崎会場でしか見られない作品の楽しみ方を知っていますか

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知られざる山下清の世界~長崎会場から

山下清は1961年にヨーロッパへ旅に出た。ここで見た風景の作品は、清の技術の習熟度の高さを感じずにはいられない。さらに、美術館関係者が長崎ならではの楽しみ方を教えてくれた。

ヨーロッパで清が見た風景

日本中を放浪し尽くした清は、海外に目を向けた。

1961年、ヨーロッパへ 
1961年、ヨーロッパへ 
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1961(昭和36)年、39歳で夢が叶ってヨーロッパへ。ヨーロッパ各国、北欧やエジプトに加え、経由地のカナダ、タイ、香港を含む12カ国を約40日間で巡る旅となった。

スイスの町 1963(昭和38)年 貼絵
スイスの町 1963(昭和38)年 貼絵

清はこの旅で20点余りのスケッチを描き上げた。帰国後、貼絵をはじめペン画、水彩画として世に残した。これらの作品は、より実景に迫る遠近感を持つ構図で、貼絵はきわめて緻密な色彩表現となっている。

学芸員推し「ロンドンのタワーブリッジ」

ヨーロッパシリーズは、山下清の代名詞といわれる「貼絵」も創作されている。

ロンドンのタワーブリッジ 1965(昭和40)年 貼絵
ロンドンのタワーブリッジ 1965(昭和40)年 貼絵

中でも圧巻なのが「ロンドンのタワーブリッジ」だ。

橋は東京のかちどき橋のように大きな舟がとおるたびにまん中がひらくので、ぼくはこのむずかしい橋をスケッチしながら 橋のひらくのを待っていた ぼくがスケッチしているそばにイギリスのふるい大砲がそなえてあって これは議事堂や橋を守るためではないので ただのかざりです 男の子だの女の子だの イギリスの子供が五、六人やってきて ちょっとぼくのスケッチ・ブックをのぞくと すぐに大砲の上にのっかったりすべりおりたりしてあそびはじめた(山下清)

学芸員 松久保修平さん
学芸員 松久保修平さん

長崎県美術館の学芸員、松久保修平さんもイチオシの作品だ。

松久保さんによると「この時期の作品では清の貼絵の技術はさらに高まりをみせ、表現の細やかさは驚異的と言える。特に“水面の描写”には目を見張るものがある」と話す。

長岡の花火 1950(昭和25年)貼絵 @Kiyoshi Yamashita/STEPeast 2026 
長岡の花火 1950(昭和25年)貼絵 @Kiyoshi Yamashita/STEPeast 2026 

「代表作である≪長岡の花火(1950年)≫や同年に制作された≪金町の魚つり≫といった作品もすでに、水面への映り込みを表現している。しかし本作では色数も増え、さらに複雑で緻密な描写となっている。画家・山下清の成長を感じることができる作品となっている」と大絶賛だ。

長崎でしか見られない作品

企画展は巡回展で、15会場を巡り長崎がラスト。長崎でしか見られない作品がある。

長崎の風景 1963(昭和38)年 貼絵 十八親和銀行所蔵
長崎の風景 1963(昭和38)年 貼絵 十八親和銀行所蔵

十八親和銀行所蔵で、長崎の風景を描いた2つの作品だ。普段は外部の人が見ることはできない。

長崎の景色 1963(昭和38)年 貼絵 十八親和銀行所蔵
長崎の景色 1963(昭和38)年 貼絵 十八親和銀行所蔵

山下清は昭和30年代、当時の岡政デパートなどで開催される個展にあわせてしばしば長崎を訪れたという。2作品は1963(昭和38)年制作。「長崎の風景」は、長崎市の風頭から見た眺望を描いた。「長崎の景色」は、グラバー邸を見下ろした作品となっている。

山口広助さんと「山下清を巡るツアー」が企画された
山口広助さんと「山下清を巡るツアー」が企画された

企画展では3月に2回、長崎の歴史風俗研究家、山口広助さんと「山下清を巡るツアー」が企画された。参加者は旧グラバー住宅から美術館までを広助さんの解説で歩いた。

実際に見た風景と作品を見比べることで、参加者は「どのように風景を切り取ったのかを自分も追体験できた」と話し、清が見た風景に思いを馳せた。

広報担当推し「グラバー邸」を題材にした2作品を見比べる

美術館の広報担当である奥村亮子さんは、特別出品の長崎の2作品を推している。さらに、「長崎会場ならではの楽しみ方がある」と教えてくれた。

グラバー邸 1956(昭和31)年 貼絵
グラバー邸 1956(昭和31)年 貼絵

会場には特別出品の長崎を題材にした作品と同じ壁面に、1956(昭和31)年に制作された「グラバー邸」も展示されている。

奥村さんは「同じ主題を扱った2つの作品を見比べることで、わずか数年のあいだに清の技術が飛躍的に進化していることが見えてくるはずだ」と話す。

長崎をテーマにした作品で清の習熟度が増す過程を垣間見ることができるのは、長崎会場でしか味わうことができない。

4月5日まで長崎県美術館で開催中
4月5日まで長崎県美術館で開催中

「生誕100年山下清展」は、4月5日まで長崎県美術館で開催中だ。

(テレビ長崎)

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