レンタルショップが時代の変化とともに厳しさを増す中、広島県内を中心に書店を展開するフタバ図書は拡大する中古ホビー売買の大手と手を結んだ。生き残りをかけたその戦略転換を取材した。

コミック、DVD、CDのレンタルを縮小、中古ホビー売買へ

先日、フタバ図書が旗艦店と位置付ける広島市内の店舗では、リニューアルに向けた準備が進んでいた。

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加藤雅也アナウンサー:
店舗内入ってすぐ目に入りやすいところに「駿河屋」の準備が進んでいます。売り場の目立つ場所に設けられている印象です

加藤雅也アナウンサー:
中を見ると広いですね。人気の中古ホビー市場の勢いを感じる作りとなっています

開店準備中の「駿河屋」
開店準備中の「駿河屋」

中古本のコーナーをなくすなど、思い切った配置変更で新たに展開するのは、中古ホビー業界大手の「駿河屋」。

加藤雅也アナウンサー:
コミックコーナーも駿河屋のオープンに合わせて移動したということです。中古本売り場はなくなっています。文具の売り場もスライドし、大規模なリニューアルが進んでいます

レンタル終了を惜しむ声も

一方、この日にぎわいを見せていたのが、レンタルコーナーの終了にともなう、「閉店セール」。

加藤雅也アナウンサー:
開店と同時にセール会場に大勢の客がそれぞれのお目当てに向かって一気に集まってきました。活気がありますね

オープンと同時に多くの客でにぎわった「レンタル閉店セール」。しかし、中には複雑な思いを抱いている人も少なくない。

客:
自分が子供の時からレンタルしていたので、少し寂しい気持ちはある

客:
レンタル閉店は、仕方がないと思うが、私はサブスクをやらないので、レンタルがあってくれた方がうれしい

レンタルに変わって主流となった配信サービスの数々…いま、時代の変化が押し寄せている。

フタバ図書TSUTAYA  MEGA 中筋店 田村慎太郎 店長:
MEGA中筋店というフタバ図書の中でもシンボル的な店舗を、未来に向かって新たな姿に変えていくために苦渋の選択ではあるが、今回レンタルと中古本の撤退を決めた

フタバ図書TSUTAYA  MEGA 中筋店 田村慎太郎 店長:
あれが欲しいからここへ行こうではなく、家族で時間が余ったからフタバ図書行ってみようかと、気軽に来てもらえる、その時に名前が出るような店舗であり続けたいと思う

出版関係団体の調査によると、全国で26%の市区町村は新刊書店が一つもないが、広島県は全ての市町村に書店がある。単に本を売ることから、ほかの業界と連携し、地域の文化的な拠点へと役割を広げることで、生き残りをはかり、”新しい本屋のカタチ”を模索している。

(テレビ新広島)

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