2023年9月末現在、熊本市に暮らす外国人は「8,685人」。73万人余りの熊本市の人口に対しては少ないと思うかもしれないが、約10年前と比べると2倍近くに増えている。
こうした中、互いに理解を深めようと、熊本市の大西一史市長が市内在住の外国人と意見交換を行った。

外国人と「市長とドンドン語ろう」

11月3日は、計14の国と地域からやって来た人が参加し、熊本市の大西市長と直接トークを行った。
参加者がまず指摘したのは、行政手続きについてだ。

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中国から帰化した人:
子ども連れでまちづくりセンターを利用するときは、日本語の申込書を3枚書かないといけないのは負担

大西熊本市長:
まちづくりセンターで3枚、日本語で?

台湾からの人:
通訳あるいは英語の申込書があれば助かります

熊本市の大西市長と市民が意見交換を行う「市長とドンドン語ろう」。今回の市内在住の外国人との意見交換の場の開催には、きっかけがあった。

2022年12月、熊本市が自治基本条例の改正素案を示した際、市民の定義に「外国籍も含む」と明文化したことに対し、「外国人による参政権を認めたことにならないか」など誤解も含めた反対意見が多数寄せられた。

大西熊本市長:
カッコ書き(外国籍含む)は外して条例改正しましたが、もともとの市民の定義は変わっていません。外国籍の方も住民票を置く人は、市民と位置付けています

課題は様々 一方で感謝の言葉も

共生社会へ向けた課題は様々だ。

インドネシアからの人:
(イスラム教)私たちは一日5回お祈りをします

マレーシアからの人:
お祈りするとき、変な目で見られたりとか。気持ちは分かりますが、理解が一番欲しい

ネパールからの人:
外国人 = ごみ問題といわれる。思い込みをなくすには情報が大事。外国人がなぜ増えているのか、今後どう社会が変わるのか、日本人として何ができるのか、外国人が地域でこういうことで困るので声をかけてくださいとか、情報があれば

一方で感謝の言葉もあった。

ウクライナからの人:
何かあれば、いつも市役所の人は手伝ってくれます。とても感謝しています

イギリスからの人:
早く熊本の一員になりたいです。熊本の社会に溶け込んでいきたいです

誰もが住みやすいまちの実現へ

大西熊本市長:
皆さんを私たちは労働力とだけ思っているのではありません。生活者として、同じ熊本に住む仲間として、皆さんが生活しやすいよう私たちは努力します

会が終了後、マラウイから留学生として来ているルスビロ・ムワリリノさんは、「いろんな国の人とたくさんのアイデアや問題を話しました。とても助かりました。そして面白いと思いました」と話してくれた。

誰もが住みやすいまちの実現へ。大西熊本市長は、今後もこうした機会を作りたいと語った。

(テレビ熊本)

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