11月1日、創業から50年を迎えた札幌の人気カレー店「カリーハウスコロンボ」。

サラサラとしたクセになるルーが特徴で、昼食時間帯には行列ができるほどの人気ぶりだ。

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札幌オリンピックの翌年の1973年に「札幌国際ビル」の地下1階に開業。

元々、喫茶店を営んでいた先代の藤井一子さんが、当時はカレー専門店が少なかったことに目をつけて出店したという。

現在は、娘の亜生子さんが母の味を受け継ぎ、お店を営んでいる。

「私が3歳のときに母が店を始めた。それから『カレー屋さんの子』と言われ、コロンボとともに生きてきた」(カリーハウスコロンボ 藤井亜生子さん)

札幌駅前の地下という飲食店の激戦区で、半世紀にわたり支持されてきた理由とは?

コロンボが愛される理由(1)「サラサラのルー」

人気のルーは毎日タマネギ20kgを6~7時間かけて“あめ色”になるまでじっくり炒め、ニンニクやスパイス、トマトピューレで酸味と旨味を加えて煮込んでいる。

隠し味に一味唐辛子を加え、後を引くような辛さを引き出す。

サラっとした口当たりに仕上げるのがコロンボ流だ。

コロンボが愛される理由(2)「手作りのハンバーグ」

毎週“水曜日”は、行列が一段と長くなる。

その理由は、日替わりメニューにあった。

店の一番人気は水曜日の日替わりメニューの「煮込みハンバーグカレー」。

茶碗2杯半のご飯の上にのる、250gのハンバーグは自家製。

合い挽き肉20kgに同じ量のタマネギを加え、200個分を毎週仕込む。

手のひらより大きなハンバーグを、ラードで揚げ焼きしてからスープで煮込むことで味わい深くなるという。

水曜日限定の日替わりメニューを目当てに通う常連客も多いようだ。

コロンボが愛される理由(3)「ルーの継ぎ足し無料」

カレーのルーが少なくなると、無料で継ぎ足しができる。

無料でルーの継ぎ足しを始めたきっかけは、常連客への声かけだったという。

「母が常連客に『ルーが足りないなら入れようか?』と尋ねているところを見た他の客がうらやましそうにしていたので、ルーをかけるか尋ねた。そこからルーの無料継ぎ足しのサービスが始まった」(コロンボ 藤井さん)

多い人は3~4杯と継ぎ足し、中にはルーを飲んでしまう人もいるという。

「このサービスは、今後も続ける。家にいるような感覚でルーを足して、ほっとしてもらいたい」(コロンボ 藤井さん)

苦難を乗り越え50周年に

50年という長い歴史。いいことばかりではなかったようだ。

「コロナ禍は、つらかった。常連客や札幌駅周辺で働く人などの来店がかなり減ったので」(コロンボ 藤井さん)

コロナ禍という苦難を乗り越え50周年を迎えた「カリーハウス コロンボ」

「50周年と知り、食べに来た。とてもおいしかった」(常連客)

「50年も長く続いている店はあまり聞かない。自分の行きつけの店が長く続いているのは嬉しい」(常連客)

常連客が続々と来店し、店はお祝いムード。

「振り返ると、いろいろなことを思い出して心が熱くなる。無事に50周年を迎えられて、感謝の気持ちでいっぱい。母が一番大切にしていたことは、アットホームな雰囲気。家に帰ってきて『ただいま』と言うような空間を常に意識していた。実家に帰ってきたように、この場所でみなさんをお迎えしたい」(コロンボ 藤井さん)

北海道文化放送
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