イスラエルのガザ本格侵攻が迫る中、229人の人質のうち54人がタイ人であることがわかった。なぜ多くのタイ人が人質となったのか、ハマスの戦闘員に関する驚きの証言が出てきた。

テルアビブ市内の公園には人質となった子どもたちを模したテディベアが
テルアビブ市内の公園には人質となった子どもたちを模したテディベアが
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イスラエル最大の都市・テルアビブで、市民が公園の噴水の前で足を止めていた。公園には、目隠しされたぬいぐるみが並べられていた。

ぬいぐるみには「誘拐された」という文字とともに子どもたちの写真が添えられていて、中には9カ月の赤ちゃんの写真もある。

イスラム組織・ハマスに捕らえられ、人質となった子どもたちを模したテディベアだという。

人質229人中54人がタイ人と判明

ハマス掃討に向け、イスラエル軍は2日連続でガザへの地上作戦を実行。ガザへの本格侵攻は、秒読み段階に入りつつあるとみられている。

今なお229人の人質が(イスラエル軍発表)
今なお229人の人質が(イスラエル軍発表)

しかし、これまでに解放された人質はわずか4人で、イスラエル軍によると、今なお229人もの人質が捕らえられたままだ。

人質の半数以上が25カ国の外国籍保有者でタイが54人で最多
人質の半数以上が25カ国の外国籍保有者でタイが54人で最多

この人質の半数以上は25カ国に及ぶ外国籍の保有者で、最も多いのはタイで、54人が人質になっている。

10月7日、イスラエルを奇襲したハマスの戦闘員から逃げるタイ人労働者たち。ガザ近くの農園では、トラックの陰に隠れたタイ人労働者の頭上でロケット弾の爆発音が響いた。

イスラエルにはタイ人の出稼ぎ労働者が約3万人いるという
イスラエルにはタイ人の出稼ぎ労働者が約3万人いるという

イスラエルには、タイ人の出稼ぎ労働者が約3万人いるとされ、ハマスの襲撃により30人以上が死亡、54人が人質となった。

10月12日に襲撃を受けた労働者らがタイに帰国
10月12日に襲撃を受けた労働者らがタイに帰国

12日、襲撃を受けた労働者らがタイに帰国した際には、空港に多くの報道陣が詰めかけ、タイ国内でも大きく報道された。

ハマス戦闘員がタイ語を話していた

イスラエルでタイ人労働者を支援する女性は、襲撃してきたハマスの戦闘員の気になる点を指摘した。

ハマスの戦闘員がタイ語をしゃべっているのが聞こえたという証言が
ハマスの戦闘員がタイ語をしゃべっているのが聞こえたという証言が

イスラエルでタイ人労働者を支援する女性:
(ハマスの戦闘員が)タイ語をしゃべっているのが聞こえたので、タイ人たちは(イスラエルの)兵士か仲間だと思ったそうだ。

ハマスの戦闘員がタイ語で話していたという証言。このことから、意図的に外国人を標的とした可能性も浮上している。

タイのセター首相は、イスラエル側に人質の解放交渉を進めるよう要請。その人質解放をめぐっては、新たな情報も出ている。

多数の人質解放と引き換えにガザへの燃料搬入を検討と現地メディア
多数の人質解放と引き換えにガザへの燃料搬入を検討と現地メディア

地元メディアはイスラエル情報筋の話として、多数の人質解放と引き換えにガザへの燃料搬入を検討していると報じている。
(「イット!」10月27日放送より)