自民党が「刷新」を掲げて2カ月前に選びなおした大阪の支部長のうち、演歌歌手の男性が解任される方針が決まった。衆院選の立候補予定者でもある支部長。関西テレビの取材に対して怒りをあらわにした。

“支部長”解任へ…わずか2カ月で

尾形大作支部長:
納得はできませんよ。死ぬ気でやりますよ。戦いますよ。

電話取材に対し、怒りをあらわにしたのは、演歌歌手の尾形大作さんだ。怒りの原因は、自民党の「次期衆院選立候補者」から、わずか2カ月で解任されることだった。

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前回の衆院選で、自民党は大阪府内の選挙区で惨敗。立て直しをはかるため、事実上の次期立候補予定者となる「支部長」を公募すると発表した。

そして8月には、10の選挙区について、新たな「支部長」を決定した。その中で大阪18区の支部長に選ばれたのが、紅白歌合戦の出場経験もある尾形大作さんだった。

尾形大作支部長 (8月):
命懸けで、命を皆さま方にお預けしたいと思います。

公募から発表まで、わずか1カ月。自民党大阪府連の谷川とむ会長は、支部長の選考方法について、以前出演した関西テレビ「newsランナー」の中で、自信を持ってこう答えていた。

自民党大阪府連 谷川とむ会長( 8月2日):
今回私も書類をしっかりと70名全部見させていただきましたし、大阪との親和性であったり、また刷新感があるかといったいろんな項目があって、「この人がこの地域にふさわしいよね」っていう形で選ばせていただいています。

しかし10月17日、自民党の茂木幹事長や小渕選対委員長らが党本部で協議を実施し、会合の後取材に応じた自民党幹部が、「尾形支部長の解任の方針を決めた」と話した。

いったい何があったのか。関係者は次のように話す。

関係者:
(尾形さんは)地元での活動をほとんどしていなかった。支援者の前で「何もしなくていいから出ろと言われた」などと話していた。

さらに地元の自民党関係者も、次のように困惑と不満の声を口にした。

自民党関係者:
(尾形支部長の)顔も見たことない。ここで生まれ育った人間が代表して出てほしいなというのが地元の人間の意向です。18区のこと知ってるんですか?って言いたいわな。

関西テレビが渦中の尾形支部長に電話で話を聞いたところ、「地元で活動していない」という指摘について否定した。

尾形大作支部長:
80日間の間で25日(活動を)やってますから、約3分の1弱は(18区に)入ってます。

さらに、「もともとは維新から立候補するつもりだった」と明かしたうえで、「当選を約束されていた」と不満の声を口にした。

尾形大作支部長:
「大作さん、公認です」と、最初から公認なんですよ。小選挙区でうまく勝てなくても比例復活で3番目、当選ですと、そういう約束で受けました。(歌手活動との両立について)「キャンセルできないものは続けながら、候補者活動するしかありません、よろしいですか?」と、「了承しました」と。納得はできませんよ。

混乱の末、わずか2カ月での解任劇。自民党は、本当に「立て直し」をすることができるのだろうか。

(関西テレビ「newsランナー」 2023年10月18日放送)

関西テレビ
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