イスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃とされる動画がSNSで拡散されているが、その中にはフェイク動画とされるものが含まれている。誰が投稿しているのか、場所や日時が記されているのかなど、信頼性を検討する必要がある。
SNSで“フェイク動画”が拡散
SNS上で拡散されるイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃。だが、それらの動画には注意が必要だ。

SNSを中心に広がっている動画では、幼い子どもたちが檻の中からカメラを見つめている。
これは、ハマスがイスラエルに大規模攻撃を行った直後からSNS上で拡散されているものだ。だがこの動画は、イスラエルやハマスが実効支配するガザ地区の映像ではなかった。

さらに、戦闘員がヘリコプターを攻撃する映像は「ハマスがイスラエルのヘリを攻撃した」と拡散されているが、これもフェイク動画だ。実際はゲーム映像と見られる。
そして、パラシュートでイスラエルに降下しているハマスの戦闘員とされる動画も偽物。今、このように多くのフェイク動画が拡散されている。

このニュースについては、ネット取材部の井上義則部長がお伝えする。
パラシュートで降下している兵士たちのSNS動画も偽物ということだったが、そもそもコメントは「イスラエルに降下している」となっているが、背景の建物はイスラエルではなく、カイロにあるエジプト陸軍士官学校だ。
世界的に注目されている出来事、特に武力衝突などが起きると、フェイク動画も拡散するという状況が、今や常態化してしまっている。

これは、ウクライナ侵攻でも同様なことが起きていた。
ロシア軍による空爆とされる動画だが、これは中国の火薬工場で起きた爆発火災の映像だ。また、戦闘ゲームを使ったフェイク動画も数多くウクライナでは拡散しているという状況になっている。
複数の観点から確認作業を
こうしたフェイク動画は、どう見抜いていけばいいのだろうか。

まず、誰が投稿しているのかというのを、きちっと見ることが大切だ。公の組織なのか、個人なのか、匿名なのかを合わせ、その信頼性を検討する。
さらに、そのコメントに詳細な場所・日時が記されているのか。記されているとしても、ちゃんとつじつまが合うのかといった精査が必要。
フェイク動画を見抜くためには、最新の手口を把握し、その上で複数の観点から確認作業をすることが大切となる。また、安易に拡散して加担しないということも重要となってくる。
(「イット!」 10月11日放送より)