パレスチナ自治区のガザを実効支配するイスラム組織「ハマス」によるイスラエル大規模攻撃から5日目の11日。報復攻撃の応酬が激しさを増すなか、11日、渋谷駅前で大規模な抗議デモが行われた。一方、イスラエル国内に残り生活を続ける日本人家族を現地で取材、命の危険と隣り合わせの日常生活を送る心境を語った。
「この虐殺を絶対に許さない」渋谷ハチ公前で大規模デモ
11日午後3時半過ぎの東京・渋谷駅のハチ公前。
多くの警察官が並ぶ中、「イスラエルは打ち勝つ」と書かれたボードを掲げて、大規模なデモが行われた。
この記事の画像(28枚)イスラエルのコーヘン駐日大使は、「この惨殺を絶対に許さない」とハマスを非難。デモにはアメリカのエマニュエル駐日大使の姿もあった。
双方の死者は2100人を超える
イスラエルは10日夜、ガザ地区の200カ所以上に報復の空爆を行った。
一方、ハマス側もイスラエルの南部アシュケロンなどに数百発のロケット弾を打ち込むなど、双方の応酬が続いている。
地元メディアによると、イスラエルではこれまでに、多数の民間人を含む1200人の死亡が確認され、ガザでの死者900人と合わせて双方の死者は少なくとも2100人となった。
日本人家族「サイレン鳴ったらみんなで逃げる」
今回の攻撃前、イスラエルとガザ地区などには、約1200人の日本人が在留。「ハマス」によるロケット弾攻撃が続くテルアビブには、今も日本人家族が残っている。
今回取材したのは、イスラエルのゲーム開発企業で働いている土田英理也(つちだ・えりや)さん。イスラエル人の妻と3人の子どもたちと暮らしている。
土田英理也さん:
いつもサイレン鳴ったら、みんなで逃げていきます。
土田英理也さんの妻:
寝てる時にサイレンが鳴り始めて、すごい緊張。早く早く子どもたち、みんな。
いつ空襲警報が鳴るのか不安を抱えながらの生活。サイレンを合図に向かうのは、階段の下、地下にあるシェルターだ。
土田英理也さん:
昨日、用意した方がいいかなっていうことで、お水とか乾き物とか、あと缶詰系のものは買っておいたんですけど、お水がどこに行っても売り切れだったので、とりあえずコカ・コーラを買ってます。
ハマスが土曜日の朝から始めた大規模攻撃。ガザ地区の周辺では、ハマスがイスラエル市民を襲撃する様子が監視カメラの映像で明らかになるなど、一般人を狙った無差別攻撃が相次いでいる。
イスラエルに26年住んでいる土田さんは、多くのロケット弾の攻撃に加え、地上から戦闘員が侵入してきたことに衝撃を受けたという。
土田英理也さん:
皆黒ずくめで銃を持って入ってくる姿を見た時、「これはマズいな」と感じました。
それが私たちの住んでいる(イスラエルの)南で起きてるというのが、本当に恐ろしいし、毎日、彼らの運命はどうなってしまうんだろうと…。
一刻も早く今回の衝突が終わってほしいと願う土田さん。一方で、イスラエル軍はハマスの戦闘員が侵入した南部の支配を取り戻し、ガザの国境を包囲。近く地上戦に踏み切る可能性が高まっている。
(「イット!」 10月11日放送より)