パレスチナ自治区・ガザを実効支配するイスラム組織「ハマス」によるイスラエル大規模攻撃から4日目。

“戦いの始まり”を身をもって知った日本人研究者に話を聞いた。

イスラエルのテルアビブに留学している岡田隆教授

日本体育大学 岡田隆教授:
普通に寝てたんですよ。で、その爆発音で起きたという感じですね

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2023年4月からイスラエルのテルアビブに留学している、ボディビルダー「バズーカ岡田」こと、日本体育大学の岡田隆教授。今回の攻撃は、現地で研究を続ける中での“想定外の事態”だったという。

日本体育大学 岡田隆教授:
学校の運動会とかで、昔ドンドン!鳴らしてたじゃないですか、空砲というか。お祭りを祝うものなのかなと。でも爆撃の音が大きすぎるのと、あ、これはヤバイという風に気持ちが切り替わった

激しい爆撃音とSNSで飛び交う情報で事態の深刻さを知り、急いでシェルターに避難したという。

日本体育大学 岡田隆教授:
交感神経の高ぶりを感じましたね。きのうまで筋トレのストーリーズを(SNSに)上げてた子たちが、軍服を着て軍事施設に赴いてるのを見てますし、「友達、親友が6人死んだ」とかメッセージが来てですね。本当に胸が締め付けられる思いですね

双方の死者は1600人超える

戦闘は激しさを増し、双方の死者は1600人を超えた。地元メディアによると、イスラエル側で少なくとも900人以上が死亡。100人以上が人質として連れ去られている。

記者リポート:
午前10時半すぎのテルアビブ市内です。このように戦闘の影響で人通りは少なく、多くの店が休業している状況です。

ハマスによるロケット弾の攻撃で、被害が出ているテルアビブ市内。

相次ぐロケット弾攻撃から、イスラエル市民を守るのが、“世界最強”と言われる防空システム「アイアン・ドーム」。

これはガザとの境界に近い、イスラエルの都市アシュケロン上空の様子。ガザから放たれた無数のロケット弾が、上空で迎撃され、撃ち落とされているのが分かる。

しかし今回、ハマスがアイアンドームの隙をつく奇襲作戦に出たことで、イスラエル側にダメージを与えることに成功した。

放送大学(国際政治)高橋和夫 名誉教授:
アイアンドームは非常に強力だけれども、“多数のミサイルを同時に撃ったら守り切れないだろう”と、ハマス側がロケットを発射してそれが見事に成功した。
イスラエルがそれに気を取られている間に、兵士がイスラエル側に突入したということで、戦術的にはハマスがイスラエルを出し抜いた。

ハマスが「民間人の人質を殺害する」と脅しをかける一方、イスラエル側が近く、地上侵攻を始めるとの観測もあり、犠牲者拡大の恐れが高まっている。
(「イット!」10月10日放送より)