イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスとの戦闘が激化。報復作戦が続き、双方の死者は1100人を超えるなか、戦闘が世界に飛び火することに懸念の声が出ている。

「アルジャジーラ」女性記者の背後で爆発

中東のパレスチナ自治区ガザで9日に撮影された映像では、夜が明けたばかりの街に上がる閃光と爆発音が聞こえる。

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ガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」によるイスラエルへの攻撃と、それに対するイスラエル軍の報復作戦が続き、双方の死者は1100人を超えた。

イスラエル軍は、ガザ地区の繁華街に建つ高層ビル「パレスチナ・タワー」を破壊。その時、中東の衛星テレビ局「アルジャジーラ」の女性記者が現地から生中継を行っていた。

生中継中に女性記者の背後でガザ地区の「パレスチナ・タワー」が爆撃を受ける
生中継中に女性記者の背後でガザ地区の「パレスチナ・タワー」が爆撃を受ける

記者の背後から突然、激しい爆発音が轟き、記者が叫び声を上げながら振り返ると、高層ビルから白煙が上がった。

スタジオからは「ユナさん、身を守ってください」と声もかかり、いったん画面からは姿を消した女性記者だったが、その後も、「今のはパレスチナタワーへのミサイル攻撃でした。ガザ地区の中心部にあります」と声を詰まらせながらリポートを続けた。 

多くの外国人も犠牲に…

戦闘による犠牲者の中には、多くの外国人が含まれていた。一体なぜなのだろうか。

襲撃を受けた音楽フェス会場では外国人を含む参加者の約260人が死亡したとの情報も
襲撃を受けた音楽フェス会場では外国人を含む参加者の約260人が死亡したとの情報も

報復作戦を続けるイスラエル政府が“戦争状態”を宣言した、イスラム組織「ハマス」との戦闘。ハマスは、イスラエルとガザ地区の境界付近で行われていた音楽フェス会場を襲撃。踊っていたところを襲われた外国人を含む参加者の約260人が死亡したとの情報もある。

ハマスは、同じフェスに参加していた20代のドイツ人女性など、100人以上の市民などを人質として連れ去ったとみられている。

「世界的な紛争になる可能性というのは常にある」

イスラム国家の樹立を目指す武装組織「ハマス」と、対立するイスラエルとの間で激化する戦闘。

専門家の放送大学・高橋和夫名誉教授は「イスラエルとロシアは近いですし、イスラエルはアメリカが支援していますから、現場が爆発してしまって、うっかり大戦争に発展する」、「中東は地域紛争ですが、これが世界的な紛争になる可能性というのは常にある」、「可能性は高くないんですけど、ゼロではない」と事態がさらに悪化し、混乱が“世界に飛び火”することを警戒している。

(「イット!」 10月9日放送より)

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