ウクライナのデジタル変革相が「透明マント」の開発成功をSNSで明らかにした。熱探知カメラやドローンから兵士を隠すことができるというマントは、対ロシアの反転攻勢に影響するのだろうか。

サーモカメラに映らない!?

ウクライナのデジタル変革相がSNSに投稿した“ほの暗い映像”。

映像には一見2人しか存在していないように見えるが…
映像には一見2人しか存在していないように見えるが…
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そこには、2人の影が浮かんでいる。

映像の画面が、温度を検知するサーモカメラに切り替わると、2人の顔や手の部分が赤く表示された。しかし実際には、この映像に映る人物は2人ではなく…3人なのだ。

映像をよく見ると、白枠の部分にもう1人、人のような輪郭があるのが分かる
映像をよく見ると、白枠の部分にもう1人、人のような輪郭があるのが分かる

映像をよく見ると、2人のさらに左に人のような輪郭が浮かび上がっているのがわかるーー。

デジタル変革相「ウクライナ人が作った」

この映像をSNS上で公開した、ウクライナのデジタル変革相は、“透明マント”の開発に成功したことを明かした。

フェドロフ・デジタル変革相:
おとぎ話で“透明マント”の話を読んだことがあるだろうか?
ウクライナ人がそれを作った。

迷彩柄の“透明マント”は、特殊な断熱素材で作られていて、熱探知カメラやドローンから、兵士を隠すことができるという。

専門家「ロシアはプレッシャーを感じる」

ロシアに対する反転攻勢を強めるウクライナ軍。軍事情勢にくわしい専門家は、透明マントの使用が、前線で有利に働く可能性を指摘した。

笹川平和財団・小原凡司上席フェロー:
自分たちが探知されずに相手を探知して、照準して攻撃することができる。
この透明マントが、本当に主張通りの性能があるのだとすれば、よりウクライナ軍の損耗率は下がるし、小規模に分散した攻撃が有効に行えるようになる。

また、このマントの存在をあえて公開した狙いについては、このような見方を示した。

笹川平和財団・小原凡司上席フェロー:
ウクライナ兵がすぐそこまで来て攻撃するかもしれないという、恐怖心なり警戒感を与えることにより、コスト(労力など)を強要することになる。
ロシアは、それに対するプレッシャーを感じることになる

アメリカのCNNによると、透明マントの開発は8年前から行われ、すでに実戦で使用されているという。
(「イット!」 10月6日放送より)

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