愛媛・松山市にオープンした小さなコーヒースタンド「たずねけりコーヒー」。スタッフの半数は外国人留学生だ。そんなお店が目指しているのが、どんな国籍の人も当たり前に生活する街“松山の国際化”だ。
小さなコーヒースタンドから“松山の国際化”
愛媛・松山市千舟町に2023年7月にオープンしたのは「たずねけりコーヒー」。
メニューは定番のコーヒーやカフェラテに、SNS映え間違いなしのグレープフルーツエードやレモネード。
また、萱町の食パン専門店「一本堂」のフルーツサンドやピザトーストに、「Japanese Dining にの」のお弁当など、フードメニューも販売している。
充実したメニューも魅力的な「たずねけりコーヒー」だが、実はある「社会的なテーマ」をコンセプトに掲げた、唯一無二のお店。そのコンセプトというのが“松山の国際化”だ。そんな「たずねけりコーヒー」へ、テレビ愛媛・鈴木瑠梨アナウンサーが向かった。
国籍宗教をこえて“当たり前”の場所を
鈴木瑠梨アナウンサーが「たずねけりコーヒー」の店内に入ると、外国人スタッフが日本語で「こんにちは」と出迎えてくれた。
鈴木瑠梨アナウンサー:
外国の方ですか?
メキシコ出身・イボン・サンチェスさん:
はい、メキシコから来ました
実は店のスタッフの半数は、メキシコ、インドネシア、韓国、フィリピンからやってきた留学生だ。
たずねけりコーヒー・山瀨麻里絵店長:
外国人の方が日本語が上手じゃなくても働ける場所、宗教をこえて働きやすい場所、でもそれって当たり前だよっていうのを発信できる場所にしたいと思って
「アルバイトを見つけられない…」リアルな声
現在愛媛で暮らす外国人は1万3,742人。
1万人以上いるものの、言語や文化の違いから働くハードルが高いのが現状。
NPO法人さかのうえ日本語学校の国際こども食堂などの活動で、松山で暮らす多くの外国人と関わってきた山瀨さんは、リアルな声を耳にしたという。
たずねけりコーヒー・山瀨麻里絵店長:
ムスリムで「ヒジャブ」(頭や顔を布で巻いている)方とか、日本語がそんなに上手じゃない外国人の方がなかなかアルバイトを見つけられないという話を聞いていて
当たり前に生活する街“松山の国際化”へ
そこでクラウドファンディングで資金を集め、「たずねけりコーヒー」をOPENした。たずねけりコーヒーの店名には質問する「尋ねる」と、訪問する「訪ねる」の2つの意味が込められていて、誰もが「何でも聞いていい」「何度も来たくなる」コーヒースタンドを目指しているという。
イスラム教徒の女性が頭や顔を隠す「ヒジャブ」をつけるのも当たり前。仕事中のお祈りもOK。
唐揚げは、イスラム教で厳格に定められた方法で飼育・処理された「ハラルチキン」を使っていて、イスラム教徒も食べられるようになっているなど、お弁当のメニューも「国際化」。
店には日本語が話せるスタッフもいるため、日本語での注文も問題ない。
メキシコ出身・イボン・サンチェスさん:
(アルバイトの)小雪さんはとっても優しい人です。日本語を教えてくれます。だからありがとうございます
アルバイト・武内小雪さん:
イボンさんはとても明るくて、日本語を一生懸命使って、コミュニケーションをとってくれるので私もすごく刺激を受けるし、メキシコの文化について知ることもできています。なかなか街中で外国人の人とコミュニケーションをとったりすることができないので、このアルバイトを通して色々な外国人の方と関わることができてとても楽しいです
たずねけりコーヒー・山瀨麻里絵店長:
「ヒジャブ」を巻いている方もいろんな国の方も街にいて当たり前、生活に当たり前になじんでいくっていうところを目指したい。働いている、生活しているメンバーの一人というのを定着させていきたい
どんな国籍の人もどんな宗教の人も当たり前に生活する街へ、小さなコーヒースタンドから松山の国際化を目指す。
(テレビ愛媛)