芸術・文化の分野で優れた功績をあげた人たちに贈られる、日本美術協会が主催する高松宮殿下記念・世界文化賞。34回目を迎えた今回、演劇・映像部門の受賞が決まったのは、ロバート・ウィルソンさん(81)だ。
ロバート・ウィルソンさんは、前衛的な作風で知られるアメリカの演出家。舞台美術や照明、振り付けなども手がけ、ビジュアル・アーティストの第一人者でもある。
ロバート・ウィルソンさん
「演出家としての私の挑戦は“何かを(聞くため)見るための空間を提供できるか”です」
ニューヨークの大学で学んだのち、1968年、27歳の時に実験的な劇団を立ち上げた。76年には、作曲家フィリップ・グラスさんとオペラ「浜辺のアインシュタイン」を共同制作し、国際的な評価を得た。
そして81年、日本に滞在する機会を得る。この時に見た能の舞台に衝撃を受け、能楽師の観世栄夫さんや、歌舞伎俳優の坂東玉三郎さんらと作品づくりを通じて交流した。
ロバート・ウィルソンさん
「若い時に日本で6週間を過ごしたことで、私の人生は永遠に変わりました。アメリカの多くの芸術家よりも、日本の芸術家や美学にずっと親近感を覚えました」
さらには、バレエダンサーのミハイル・バリシニコフさん、シンガー・ソングライターのレディー・ガガさんなど、多彩なアーティストとのコラボレーションも展開してきた。
ロバート・ウィルソンさん
「私は芸術や文化は、人間を一つにすることができると確信しています」
フランスやドイツで勲章を受けるなど、その功績が世界各国で称賛されているウィルソンさん。
現在は、自身がニューヨーク州に設立した芸術施設「ウォーターミル・センター」で芸術監督を務めていて、若手の育成にも携わっている。
「高松宮殿下記念世界文化賞」の公式インスタグラムとフェイスブックはこちらから
【インスタグラム】https://www.instagram.com/praemiumimperiale/
【フェイスブック】https://www.facebook.com/profile.php?id=100094399780929