芸術・文化の分野で優れた功績をあげた人たちに贈られる、日本美術協会が主催する高松宮殿下記念・世界文化賞。34回目を迎えた今回、彫刻部門の受賞が決まったのは、オラファー・エリアソンさん(56)だ。
ベルリンとコペンハーゲンを拠点に活動する美術作家エリアソンさん。
光や霧など自然界の要素を取り込み、人の知覚に働きかける作品で知られている。
オラファー・エリアソンさん
「アート作品を非物質化するという考えは、単に新しい芸術表現というだけでなく、我々自身の感覚を探求する機会になります」
出世作となった『ウェザー・プロジェクト』では、美術館に人工の太陽を出現させた。
観客が作品の一部になれるような体験が評判を呼び、200万人以上が訪れた。
オラファー・エリアソンさん
「自分を表現する機会を与えられれば、より大きな体験を生み出せます」
その表現は、インスタレーションや彫刻、建築など多岐に渡り、日本を含む世界の主要な美術館や公共空間で、大型プロジェクトを行っている。
デンマークとアイスランドで育ったエリアソンさん。豊かな自然とともに過ごした経験は、後に、美術を通じて地球環境問題に向き合う礎となった。
オラファー・エリアソンさん
「どんな小さなことでも自然に壊滅的な影響を与えることを知りました」
北極圏の氷を都市の中に展示する「アイス・ウォッチ」。
気候変動に対して人々に気付きと行動を促すプロジェクトとしてCOP21の会場などで展示され注目された。
オラファー・エリアソンさん
「アートは他の場所ではしない質問も違う形で問うことができます。世界の見方を考え直すような質問もできる」
電気がない地域に太陽光発電のランプを配るなど、いまも社会に変革を促す作品に意欲的に取り組み、国連開発計画の親善大使にも任命されている。
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