戦後すぐの頃から、時代を超えて多くのファンに親しまれた福岡市博多区中洲の老舗映画館「大洋映画劇場」が2024年3月に閉館し、取り壊されることになった。創業78年目を迎えた「大洋映画劇場」は、クラシックな雰囲気が漂う劇場だ。取り壊しとなった理由は、建物の老朽化だという。

戦後の博多に娯楽を届けた映画館

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取り壊しの知らせに、街を行くオールドファンからはため息が漏れた。

80歳:
え~、本当ですか…

84歳:
イメージ的にクラシックな雰囲気が残ってるいい映画館でしょ。やっぱり、寂しいですよね

「大洋映画劇場」は、戦後間もない1946年にオープンした。かつては1日の来場者が1万人を超えるなど映画界の黄金期を支えて来たとともに、博多の街の復興・発展にも寄与してきた。

取り壊しをすることについて3代目の社長は…。

「大洋映画劇場」・岡部章蔵社長:
ここを始めた祖父の気持ちが…、戦後すぐだったので、「博多の人の笑顔が見たい」ということで始めた。おかげさまでたくさんの方に来ていただいたので、逆にこちらが笑顔にしてもらった。寂しい感じはしますね。祖父と父が建ててくれた劇場なのでね…

時代を超えて多くの人に親しまれた「大洋映画劇場」は、戦後、復興にいそしむ博多の人々に娯楽を届けた。またひとつ、博多の街から昭和の名残が消えていく。映画館は今後、営業を再開するかどうかについて「これから検討したい」としている。

(テレビ西日本)

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