記録的な猛暑と少雨の影響が広がっている。長野県松本市のリンゴ畑では実が日焼けするなど被害が出始めていて、農家も対応を迫られている。また、信濃町の野尻湖では水位が低下して、観光にも影響が出ている。

全体の1割…リンゴの実が変色
松本市今井の田中光太郎さんのリンゴ畑。「つがる」の収穫が行われていたが、一部の実は、変色していた。「日焼け」だ。
田中さんは、「全体の1割くらいは日焼けの果実が出てきている。日焼けすると、生食では味が落ちてしまうので、加工用とか、もしくは肥料に混ぜてたい肥として使っていくことになる」と猛暑の影響が農作物に出始めていると話す。

県農政部によると、連日の暑さや少雨の影響で、リンゴやブドウなどの果樹に日焼けや小粒化が見られるほか、レタスなど高原野菜でも生育の遅れなどが出ているという。
県は高温時の農作物の栽培管理技術をホームページで公開し、農家への周知を図っている。
田中さんも、収穫前の木に日焼け防止用のネットをかけるなど対策をしている。
「知恵をみんなで絞りながら、リンゴの産地として誇りをもって良いものを作り続ける努力はしていこうかなと思っている」と、この環境の中で最善の策を尽くすしかないと話す。

湖の水位が低下 通常より2m以上
一方、信濃町の野尻湖でも影響が出ている。
水位が低下してあらわになった湖底に、スワンボートがむなしく並ぶ
水深は61~62センチ。毎日7~8センチ水位が低くなり、通常より2メートル以上低いという。
野尻湖の水は新潟・妙高市の水田の水源になっている。少雨で湖に流れ込む水量が減っている上、記録的な水不足となっている妙高に供給し続けていることで水位が低下し続けている。

遊覧船、ボートが…観光にも影響
観光にも影響が出てきている。
人気の大型遊覧船「雅」は、水位減少を受け、ルートを変更して運航している。
また、スワンボートも浅橋が使えなくなり、数を減らして営業している。
この状況に地元の住民は、「とても異様な感じがする」と話す。
野尻湖定期船会社の石田貴幸社長は、「せっかく船に乗りに来ていただいているのに、船が出せないのはつらい、通常に営業できるぐらいの水に戻ってほしい」と、恵の雨を期待している。

(長野放送)