2023年6月、福岡・水巻町で52歳の女性が殺害され、被害者の妹ら女3人が強盗殺人の疑いで逮捕された事件。被害者の妹は知人に十数年間、金を渡していたとみられるなど、容疑者たちの関係性が明らかになってきた。
両手足を縛られ…町営住宅で女性死亡
城谷陽一郎記者（2023年6月6日）：
遺体が見つかった現場では大きく規制が張られ、物々しい雰囲気となっています
事件が発覚したのは2023年6月5日。水巻町二東の町営住宅で、この家に1人で住むパート従業員の辻つぐみさん（当時52）が遺体で発見された。
つぐみさんは、両手と両足を結束バンドで縛られた状態で1階の居間に倒れていたという。司法解剖の結果、死因は首を圧迫されたことによる“窒息死”と判明。警察は殺人事件と断定し、捜査本部を設置していた。
“被害者の妹”含む女3人を逮捕
そして8月18日、事件は急展開を見せた。
折尾警察署・柿坂太署長：
本日、被疑者3人を強盗殺人容疑で通常逮捕いたしました
逮捕されたのは住所不定、無職の辻和美容疑者(51)ら女3人。
福岡県警捜査一課・橋本浩輔課長：
被疑者の辻和美容疑者については、被害者の辻つぐみさんの妹です
実は、辻和美容疑者は辻つぐみさんの妹だったのだ。ほかに逮捕された岡村恵美容疑者(46)と岡村愛香容疑者(24)は親子で、岡村恵美容疑者と和美容疑者は、約20年前からの知人だった。
その3人が共謀し、つぐみさんを殺害した上、預金通帳などを奪った疑いが持たれている。
福岡県警捜査一課・橋本浩輔課長：
（強盗殺人の）実行行為者については、辻和美容疑者とみています。残り2名は現場に立っておりません
犯行の“実行役”は和美容疑者。岡村容疑者「親子」は、現場への送迎や犯行に使用する結束バンドなどの購入を担当したとみられている。
親子の自宅近くに住む人は、2人について次のように語った。
岡村容疑者親子を知る人：
親御さん（恵美容疑者）の方は、ちょっと暗い感じかな。仲良いんやないの。2人で犬を抱いて散歩に行くと言って外に出ていた
なぜ…岡村容疑者に“金を渡していた”和美容疑者
一方、実の姉をあやめた和美容疑者は以前、25年も連絡を取っていない知人に“ある電話”をしていた。
和美容疑者の知人：
10年前に電話しただけ。「お金貸してくれんかね」の電話。金額は言われてないです。「貸せない」って言ったので
和美容疑者は、この知人以外に対しても、突然電話をかけては金を要求していたという。
その和美容疑者は事件当時、家を持たず、北九州市八幡西区の公園などで野宿生活をしていた。事件の直後、つぐみさんの通帳を使い、銀行で現金70万円余りを引き出したとされているが、9日後の6月11日、北九州市八幡西区のコンビニエンスストアで捜査員に職務質問されたときには、わずか「1,000円」しか所持していなかった。
引き出した金を短期間で全部使ってしまったのか？捜査関係者からは意外な答えが返ってきた。
捜査関係者：
岡村容疑者親子が、事件後に大金を使った形跡がある
和美容疑者が引き出した現金の大半が岡村容疑者親子に渡って、使われた形跡があるというのだ。また、和美容疑者は、岡村恵美容疑者に十数年間、さまざまな名目で金を渡していたとみられるという。
2カ月以上に及ぶ捜査で見えてきた容疑者たちの関係性について、捜査幹部は…。
捜査幹部：
岡村恵美容疑者が、犯行の「策士」だった
捜査本部は、岡村恵美容疑者が首謀者として犯行の計画を立て、和美容疑者を言葉巧みに誘い込んで実行したとみて、調べを進めている。
（テレビ西日本）
