様々な業界から「人手が足りない!」という声が上がっているが、国を守る自衛隊も同じ状況に陥っていて、特に若い人材が必要で、この夏、自衛隊は積極的なリクルート活動を展開した。
積極的なリクルート活動「自衛隊」
夏休み初日、神戸三宮のセンター街にちんどん屋を引き連れて現れたのは、国を守る自衛隊の隊員たち。

リクルート活動の一環として、陸・海・空すべての自衛隊がこの夏、全国の街でこうしたキャンペーンを行っている。
若い人を見つけて、ティッシュを配ろうとするが…
リクルート活動中の自衛官:
あ、みんな道を避けていく…。逃げられちゃった
自衛隊が、必死に採用活動に取り組む理由…それは、人員不足だ。

志願者は減少傾向
防衛白書によると、自衛官は全国に、22万7843人いる。ただ、定員は24万7154人で、およそ1万9000人人員が足りていないことになる。
志願者の数を見てみると、年々、減少傾向となっていて、日本の防衛力にも影響が出かねない現状となっている。

兵庫地方協力本部 宮崎紀彦本部長:
社会全般がですね、少子化でそもそもパイが少なくなってきている
Q.防衛力に響くということですか?
兵庫地方協力本部 宮崎紀彦本部長:
はい
海上自衛隊出身の専門家も、自衛官が足りていない現状に懸念を示す。
元海将・金沢工業大学 伊藤俊幸教授:
本来の定員のおそらく1割から2割足らないと思います。現状の”平時”における状態はどうかって言われたら、何とかやっています。ただ、いざ有事となった時に、本当にこのままで大丈夫かっていうことなんだと思うんですね

人材を必要とする自衛隊ですが若者からは、こんな声が…
Q.自衛隊員になってみるのはどうですか?
高校生:
いや〜ちょっと厳しいかな。そこまでの責任感っていうのは…
高校生:
体力しんどそうです!
自衛官:
しんどくないです

そんな自衛隊のイメージを変えようと始まったのが、今回のリクルート活動だ。この日はインスタライブを駆使して呼びかけた。
自衛官:
初めまして~、私は広報係の大金3曹です。きょうは“ビッグマネー”と呼んでもらえたらうれしいです

この日は、若者がよく利用するSNSで生配信をしてアプローチを試みた。
大金加奈3等陸曹:
熊本地震で、初めて災害派遣に携わることができました。わたしは阪神淡路大震災を経験した最後の世代で被災者。一時、自衛隊にもお世話になっていたんですけど、自衛隊に入ってその恩返しをしたいと思っていました
30分間の生配信で、最大15人ほどが、視聴したようだ。
大金加奈3等陸曹:
ありがとうございました~、緊張しました~

さらに、若者に向けて、自衛隊をPRするグッズも作った。
Q.どういうきっかけで入ったんですか?
西垣修陸曹長:
自衛隊の車とか身近に触れて、そこで戦車とか乗ってみたいなって感じまして。で、帰りにこういうお土産みたいなのもらって、それ未だに家にあるんですけど。それが自衛隊はいるきっかけになりましたね
自衛官に志願してもらうことが最終目標だが、まずは、多くの人に、自衛隊の活動を知ってもらうことが第一歩だということだ。

自衛隊どんなイメージがあるか、待の若者に聞いてみた。
女子高生:
強い、かっこいい、かっこいい
大金加奈3等陸曹:
ありがとうございます。私、正直強く見えます?
女子高生:
え?自衛隊なんですか?
大金加奈3等陸曹:
私、陸上自衛官で10年目なんです
女子高生:
えっ、えっ、うそー!
大金加奈3等陸曹:
事務仕事とか、キャビンアテンダントの仕事とかも自衛隊の中にはあって、看護師さんとか。国家公務員だから女性のキャリア的にめっちゃいいんです。フフフ♪
女子高生:
色んな事やってるって聞いてすごいなって思いました、身近なものに感じた

大学生:
公務員とかなろうかなって思ってたんで。自衛官とか消防士とか興味あったっすね。就職に考えようかなと。ありがとうございます

自衛隊は、8月の間にコンサートや採用説明会などを開催し、リクルート活動に力を入れていくということだ。
(関西テレビ「newsランナー」8月16日放送)