8月8日午後3時、日本大学の林真理子理事長が、白いシャツにジャケット姿で会見場へ姿を現した。

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日大アメフト部員が、覚醒剤と大麻を所持した疑いで逮捕された事件を受け、「心から深くお詫び申し上げます」と謝罪した林理事長。その上でまず釈明したのは、自らの発言についてだった。

「言葉足らずで混乱招いたと反省しています」

日本大学 林真理子理事長:
先般、メディアの取材に対し、違法な薬物は見つかっていないとした私の発言により、混乱を招いてしまいました

その発言とは、「違法な薬物が見つかったとか、そういうことは一切ございません」という、2日に行われた報道陣の囲み取材に対するもの。なぜ林理事長はこう発言したのか。

報道陣の囲み取材に対しての発言について、会見で釈明
報道陣の囲み取材に対しての発言について、会見で釈明

日本大学 林真理子理事長:
その発言をした時点では、学生寮で発見されたものが違法な薬物なのかどうか、警察において確認を進めていただいていたところであり、リリースに記載した内容をお伝えしたつもりでしたが、確かに私の発言は言葉足らずで、唐突であったと本当に反省しております

「当時、学生寮で発見されたものが違法薬物か警察が確認を進めていて、リリース記載の内容を伝えたつもりでした」
「当時、学生寮で発見されたものが違法薬物か警察が確認を進めていて、リリース記載の内容を伝えたつもりでした」

発言は“言葉足らずだった”と釈明した林理事長は、さらにこう続けた。

日本大学 林真理子理事長:
昨今、理事の中に旧体制の勢力が残っていて、私が“お飾りの理事長”であるという報道がなされているようでありますが、そのような評価を私はとても残念に感じております

「そのような評価を私はとても残念に感じております」
「そのような評価を私はとても残念に感じております」

質疑応答では、“言葉足らず”とした説明に質問が飛んだ。

Q. これまで言葉をなりわいにしてこられた理事長が、言葉足らずの発言をされることに、違和感を感じています

日本大学 林真理子理事長:
私は本当にギリギリまで、学生の潔白を信じたいという気持ちでいっぱいでございました。そして祈るような気持ちで、その茶葉と思われるものが、、そればかり考えておりましたので、そのような発言になったと思っております

学生へのヒアリング調査を優先「判断は適切」

会見で注目されていたのが、警察への通報までに要した“空白の12日間”について。

大学側は7月6日、アメフト部の寮から植物編や覚醒剤を含む錠剤などを発見。
しかし、警察に報告したのは12日後の7月18日夜だった。

酒井学長は、会見で次のように釈明した。

日本大学 酒井健夫学長:
不審物を発見した時点では違法な薬物であるとの確証がなく、ヒアリング調査を進めてから、まとめて警察に相談しようと考えたのであります

「不審物を発見した時点では違法な薬物であるとの確証がなかった」と釈明
「不審物を発見した時点では違法な薬物であるとの確証がなかった」と釈明

では、学生へのヒアリングを優先したという判断は適切だったのか。林理事長に聞いた。

日本大学 林真理子理事長:
ヒアリングが長すぎるということでございますか?

「茶葉のようなものが付着したビニール袋が発見された時点で、届け出る判断をすべきではなかったか」
「茶葉のようなものが付着したビニール袋が発見された時点で、届け出る判断をすべきではなかったか」

榎並大二郎キャスター:
はい。警察から大麻疑惑という話が出ていた中で、茶葉のようなものが付着したビニール袋が見つかっている時点で、すぐに届け出るという判断をすべきではなかったのかという点、どうお考えでしょうか。林理事長は、対応は適切だったとお考えでしょうか?

日本大学 林真理子理事長:
はい、(適切と)考えております

あくまで判断は適切だったとする林理事長に対して、隠蔽だったのではないかとの質問も。

「間に土曜日と日曜日を挟んでいて、私どもはまだ情報もきちんと把握しておりませんでした」
「間に土曜日と日曜日を挟んでいて、私どもはまだ情報もきちんと把握しておりませんでした」

日本大学 林真理子理事長:
隠蔽と言われることは非常に遺憾でございまして、間に土曜日と日曜日を挟んでおりましたし、私どもはまだ情報もきちんと把握しておりませんでした

「大麻吸った」と自己申告も…在学生や専門家は

さらに会見では、2022年秋の保護者会で大麻に関する情報提供があったことも明かされた。

警察は4カ月前のことで「事実の立証は困難」との見解
警察は4カ月前のことで「事実の立証は困難」との見解

この情報提供の後、11月末になって学生から「(7月頃)大麻のようなものを吸った」との自己申告があったという。
しかし、警察からは4カ月前のことで「事実の立証は困難」との見解が示されたという。

Q. 大麻を吸ったということを知らなかったということか?
日本大学 林真理子理事長:

当時は知りません

Q. それは理事長的に適切か?
日本大学 林真理子理事長:

適切と言われると私も困ってしまいますけれども、きちんとそういう部署で処理されたことについて、私は適切だと思っております

「新生日大への改革を進める」として、2022年7月に就任した林理事長。日大の現役学生からは一連の対応に厳しい声が上がっている。

現役学生からは「理事長に報告が行っていなかったと。何のために理事長を変えたのか」「残念に思う」との声
現役学生からは「理事長に報告が行っていなかったと。何のために理事長を変えたのか」「残念に思う」との声

日本大学の現役学生:
理事長にちゃんと報告が行ってなかったと言っていたので、何のために理事長を変えたのか、正直よく分からない

日本大学の現役学生:
一新されたかと思いきや、実はあまり変わってないのかなと…ちょっと残念に思います

会見を取材したスポーツライターの小林信也さんは、どう感じたのか。

「林理事長は非常に抵抗感を持って話された」
「林理事長は非常に抵抗感を持って話された」

スポーツライター 小林信也さん:
隠蔽という言葉に対しては、林理事長は非常に抵抗感を持って話されましたけれども、人事を刷新してきた、この(組織の)変化に比べると、現場の運動部の体制があまりにも変わっていない。これが今回の問題を引き起こした

「人事を刷新してきたこの(組織の)変化に比べると運動部の体制が変わらず、これが今回の問題を引き起こした」
「人事を刷新してきたこの(組織の)変化に比べると運動部の体制が変わらず、これが今回の問題を引き起こした」

林理事長が目指す日大改革は、実現するのだろうか。

(「イット!」8月8日放送)