8月2日、自民党の茂木敏充幹事長が大阪市内で記者会見を開いた。発表したのは、次の衆議院選挙に向けて新たに内定した大阪府内の候補予定者たちだ。
大阪・自民 "新・候補者"を発表も…不満やまず
自民党は、前回の衆院選で維新に「全敗」するなど、大阪で敗北が続く現状を立て直そうと、「大阪刷新本部」を立ち上げ、候補者を公募で選び直した。

大阪の10の選挙区で公募を行う、まさに「異例」の対応。大阪府連のトップ・谷川とむ会長はその刷新をこう表現していた。
自民党大阪府連・谷川とむ会長(7月2日):
“大手術的“に何かを変えなきゃならないといった時には、僕らも嫌ですけれども、やっぱり血を流さざるを得ないのかな

一方、この裏では、次々と不満の声が上がっていた。
大阪4区が地盤・中山泰秀前衆院議員(8月2日):
私が防衛省の副大臣だった時に、国際会議場(グランキューブ)にワクチン接種会場を一番最初に持ってきた。英断をしたことは今回、何の評価もないわけですよ

疑問を呈したのは、自民党の大阪4区の候補予定者に当初内定していた、中山泰秀前衆議院議員。 過去の当選回数は5回、外務副大臣などを歴任したが「選び直し」の対象になった。7月に茂木幹事長に直接抗議するも、決定は覆らず、今回の公募に応募した。
今回「選び直し」の対象となったのは6人
中山前議員のように、今回「選び直し」の対象となったのは、合わせて6人(大阪4区・8区・11区・12区・15区・17区)。
このうち、政治家引退を表明した佐藤ゆかり氏を除く5人全員が公募に応募した。 中山前議員は7月、自民党本部による「選び直し」の面接を受けた。

大阪4区が地盤・中山泰秀前衆院議員:
ぜひ、国家国民のために大阪4区から、自由民主党の公認候補として役立てるような高みを目指していきたいと話しました
また、同じく選び直しの対象となった自民党・岡下昌平前衆議院議員も面接を受けたが、2日になっても「結果の連絡がない」と話し、党本部の対応への不満を口にした。

大阪17区が地盤・岡下昌平前衆議院議員:
公募に至った経緯もあやふやだったじゃないですか。それがずっと今まで変わらずに結論までもわからないような状況なので、いい加減にしてほしいですね
党内に禍根を残したまま迎え…候補者の顔ぶれは?
2日、70人の中から、書類選考と面接で選ばれた候補者の顔ぶれを見ると、公募枠の「10」の選挙区のうち、“まっさらな”新人候補が内定したのは「5つ」。
このうち、前回まで佐藤ゆかり氏の地盤だった「大阪11区」の候補になったのは、コンサルティング会社勤務の大辻沙耶氏(28)だ。

候補者が決まっていなかった「大阪18区」には、福岡県出身の演歌歌手、尾形大作氏(60)が内定した。

一方、「イメージ刷新」を図るためだったはずの今回の候補者選び。その基準は明確には示されず、ふたを開けてみれば、前回の衆院選に出馬した候補者「3人」が「再任」されていた。

そして、別の場所にいた中山前議員と岡下前議員は、会見の場には呼ばれず、彼らが基盤とする「大阪4区」と「大阪17区」は「保留」とされた。
ーーどういうことですか?
大阪4区が地盤・中山泰秀前衆院議員:
私に聞かずに党の執行部に聞いてください。オフィシャルに党本部から何らかの連絡があったことはありません
大阪17区が地盤・岡下昌平前衆議院議員:
いつまでに決めるということもなかったので、どういう立場なのかわかっていないのが正直なところです

茂木幹事長は、2人のことは改めて判断すると述べた。
自民党・茂木敏充幹事長:
刷新というのは新しく変えていくということ。人が変われば新しくなる。そういう面もあります。自民党大阪としての、各支部長がワンボイスになって訴えることができる政策を発表していきたい

新たに発表された“布陣”によって、“維新の会の独壇場”とも言われる大阪で、新たな基盤を確立できるのかどうか注目される。
(2023年8月2日 関西テレビ「newsランナー」放送)