サバやアジ、イワシなどにいる寄生虫「アニサキス」による食中毒が急増している。2023年は、特に家庭で発生するケースが多いとして、鳥取県は、予防の徹底を呼びかけている。調理する際の注意点について、料理のプロに聞いた。

県内過去最多の前年匹敵ペースで推移

長さ2センチから3センチ、白い糸状の生物が、食中毒を引き起こす寄生虫「アニサキス」だ。

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鳥取県では、2022年、「アニサキス」が原因の食中毒が、過去最多の16件発生。2023年も7月18日までに9件と前年に匹敵するペースで、このうち5件が家庭で発生したことから、県が注意を呼びかけている。

「アニサキス」は、サバやアジ、イワシなど食卓でもおなじみの魚の内臓に寄生する。刺身のように、生で食べると、胃や腸に侵入し、激しい腹痛や吐き気などを伴う食中毒を引き起こすことがある。

サバ料理が人気という米子市の料理店で、調理するときの注意点を聞いた。

まずは目視確認徹底を!

美酒佳肴ゆらく・高井賢一代表:
鮮度の良いものを選び早めに処理することが一番。内臓の辺りや頭に多いので、しっかり目視することが重要。

「アニサキス」は、寄生していた魚が死ぬと、内臓から筋肉、身の方に移る習性がある。目に見える大きさなので、身の部分をよく確認して取り除くことが大事だ。

ブラックライトで発見確率大幅アップ

また、この店では、サバの場合、当日仕入れた鮮度の良いものか、陸上養殖されたものを選んで提供しているが、ブラックライトで魚を照らして、「アニサキス」がいないか確認しながらさばいている。ブラックライトを使うと発見確率が大幅に上がるということで、1匹あたり4、5分かけ入念に確かめている。

さらに、それでも残ってしまう危険に備え…

一定の条件で加熱か冷凍

美酒佳肴ゆらく・高井賢一代表:
しっかり火を通すこと。60から70度以上で死ぬので、火を通す。または、マイナス20度で24時間冷凍することが重要。

一定の条件で加熱、または冷凍すると「アニサキス」は死滅するという。

しかし、酢漬けや醤油漬けでは死滅しない。実際に、自宅で調理したシメサバが原因で食中毒になった例もあり、注意が必要だ。

「アニサキス」による食中毒を防ぐには、まず目でしっかり確認して取り除くこと。そして、十分な加熱、または冷凍処理すること。

こうした予防法を家庭でも徹底して、魚をおいしく、安全に味わいたい。

(TSKさんいん中央テレビ)

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