7月25日に群馬県伊勢崎市で39.5℃を記録するなど連日猛暑が続くなか、どうやってエアコンで涼しく、かつ電気代を安く抑えることができるのか? めざまし8で徹底検証。
東京の最高気温が35.7℃を記録した7月24日、都内に住む堀越善之助さん(83)の自宅を取材しました。

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午後5時半、サーモカメラをみると、日中は、エアコンをつけていたことで部屋全体の温度が下がり温度は25℃。青くなっていました。

エアコンをつけていると全体が青い色に
エアコンをつけていると全体が青い色に

しかし、「クーラーが好きじゃない」堀越さんは夕方6時頃、30℃近い気温でしたが、エアコンをオフに。
すると…

夕方でもエアコンを消した途端、部屋の色は緑色から黄色に
夕方でもエアコンを消した途端、部屋の色は緑色から黄色に

窓を開けると、外気が入ってきたのか部屋の温度が上昇し、サーモカメラの画面も30℃前後を示す黄色と緑色に変化しました。

厳しい暑さのこの夏は、エアコンをつけるしかないという声もある中で、高騰する電気代が悩みの一つ。
電気代をうまく抑えながら、快適に過ごせるエアコンの節約術を「わかるまで解説」します。

倉田大誠アナウンサー:
きょう解説していただくのは、パナソニックエアーマイスター睡眠改善インストラクターでエアコンの節電設定に詳しい福田風子さんです。よろしくお願いいたします。

福田風子さん:
よろしくお願いいたします!

倉田大誠アナウンサー:
暑い日が続いていますがエアコンの使用についてこんなアンケートがありました。
6月のアンケートですが、夏場にエアコンを使っているか?と聞いたところ「使っていない」と回答したのは31.3%。すでに暑かった6月に、エアコンを3人のうち1人が使わないと回答しているんです。

その理由は…
「電気代がもったいない」50.4% 
「必要以上に寒くなる」 14.5%

倉田大誠アナウンサー:
電気代を安くして皆さんにエアコンを使ってもらうための節約術。初級から中級、そして上級まで福田さん監修のもと、段階を分けて紹介していきます。

★初級編

倉田大誠アナウンサー:
最初は「温度設定に気をつける」です。
夏場では、1℃温度を高くすると、消費電力が13%削減できます。パナソニックのデータによると東京の場合、エアコンを使っているおよそ70%が設定温度を26℃以下にしています。その26℃を27℃にした場合、ひと夏(5月~10月)で1400円の節約になるんです。

初級編、続いては「遮光カーテンなどを利用する」
直射日光を防ぐことで部屋の温度の上昇を抑えられ、断熱素材を使うことで効果が上がります。さらに「フィルターの掃除」も効果があります。ほこりやゴミが詰まっていると運転に余計な電力がかかるんです。掃除をすることで年間1万円以上節約できます。

谷原章介:
福田さん、一番適した設定温度は28℃、27℃どちらでしょうか?

福田風子さん:
設定温度と室温は乖離がある場合があるので、室温28℃を目安に温湿度計で目で見て確認するのがおすすめです。

★中級編

倉田大誠アナウンサー:
続いては、エアコン節約術中級編です。まずは「自動設定を使う」です。
風量設定の中に「自動」というものがあります。部屋が冷えるまでは「強風」その後は「微風」になり適切な環境になるよう調整してくれる機能なんですが、「自動」と「微風」だけを比較すると設定温度に到達するまでの消費電力が「微風」の方が20%高く、時間も6.4分長いという結果もでています。

倉田大誠アナウンサー:
次に「冷房と除湿の使い分け」です。
実は、冷房は温度を下げるだけでなく除湿も併せて行っているんですが、設定温度までいくと除湿の機能が弱まってしまうんです。
そこで、冷房を使っていて湿気を感じた場合は除湿に切り替え、また温度が上がったと思ったら冷房に切り替えると快適に過ごせます。
ちなみに、冷房と除湿をこまめに切り替えても電気代にあまり影響はありません。

倉田大誠アナウンサー:
ポイントとしては急速に冷やしてあげるというのが大事なんです。

谷原章介:
福田さん、最初に除湿から冷房でいいんですか?

福田風子さん:
そうですね、暑いときにはまずは冷房をかけてください。温度と湿度を下げて、そのあと除湿に切り替えるのがいいと思います。

倉田大誠アナウンサー:
中級編、続いて合わせ技、「風をうまく利用」するです。エアコンの設定温度を変えない状況で
まずは…「風向きを一番上」
冷たい空気は下にたまりやすいので風向きを水平にするといいんです。
その上で…「風量を上げる」
同じ温度でもより快適に感じられるし、風量を上げても電気代はさほど変わりません。
最後に…「扇風機などを併用する」
人は風速1mの風に当たると、体感温度が1℃下がると言われています。ですので、設定温度を必然的に1℃上げることができるんです。

倉田大誠アナウンサー:
次は中級編最後です。
エアコンは「外出時、状況に応じてつけっぱなし」です。
迷う時があると思いますが、外気の温度によって室内の温度の上昇に違いがあるんです。
まずは外気温が36℃のとき。温度を27℃に設定していたエアコンを切ると…
サーモカメラを見ると、時間がたつにつれて壁や窓から温度の高い赤や白になりました。
その結果、30分間で部屋の温度は、1.9℃上昇しました。

続いては、外気温が34℃のとき。
エアコンを切ると赤い部分が増えますが、黄緑や水色といった比較的温度が低い部分も残っています。
結果、こちらは30分間で1℃の上昇にとどまりました。実は、この温度の差が節電と大きく関わってきます。

倉田大誠アナウンサー:
これを踏まえて、パナソニックのデータを見ていきます。
30分の外出を1日2回、1カ月間行った際のエアコンの電気代のグラフです。
グラフをみると外気温が35℃までは「こまめに消した場合」の方が電気代は安いですが、36℃を超えてくると「つけっぱなしの場合」の方が電気代が安くなるんです。

谷原章介:
ということは、猛暑はつけっぱなしということですか?

福田風子さん:
そうですね、外出時間にもよりますが、30分ほどであればつけっぱなしでいいと思います。

倉田大誠アナウンサー:
もうひとつは、夜つけっぱなしにすると電気代はどれくらいになるかも気になりますよね。
実は、エアコンの消費電力は外気温との温度差が大きいほど多くなるため、夜は日中ほど電気代がかかりません。
例えば、外気温35℃で室温25℃の昼間の設定の場合は約75円、外気温30℃で室温25℃の夜間の設定の場合は約39円と、ほぼ半額になるんです。
ということは、夜エアコンをつけていても昼間ほど電気代がかからないので安心してください。

★上級編

倉田大誠アナウンサー:
では次は節約術の上級編です。難易度がかなり上がります。
今後も暑さが続くことを見越して省エネ能力の高い「最新のエアコンに買い換えましょう」。
最新のものは節電もかなり進んでおり、稼働することでうまれる廃熱を利用して温度を下げる機能やAIによって人がいない場合は運転をセーブする機能もあるんです。
さらに他の要素も加わり、15年前、2008年のモデルと今年のモデルを比較すると年間でおよそ2万5000円の節約になるんです。

谷原章介:
福田さん、10年前のエアコンはいかがでしょうか?

福田風子さん:
平均買い換え年数は13年くらいなので、長く使っている方もいますが、エアコンの標準年数は10年ほどのため、是非お買い換えも考えてください。

倉田大誠アナウンサー:
他に大事な節約のポイントはなにかありますか?

福田風子さん:
一番手軽で効果が高いのは設定温度を1℃上げることですが、暑くなるので中級編でもあったように扇風機などの気流を感じて体感温度を下げながら快適を維持して節電していただきたいなと思います。

(「めざまし8」 7月26日放送より)