大雨で被害を受けた秋田・五城目町に、東日本大震災の被災地から炊き出しのボランティアが訪れている。きっかけは東日本大震災で生まれた絆だった。この“特別な絆”は10年以上たつ今も色あせることはない。
震災発生時、五城目町の住民が大槌町に旅行
記録的大雨で住宅の浸水など甚大な被害を受けた五城目町では、住民が後片付けに追われている。
そんな中、キッチンカーの前で準備をする人の姿があった。岩手・大槌町からやってきた藤原朋さんだ。藤原さんは2022年8月も、大雨被害を受けた五城目町をキッチンカーで訪れた。

MOMIJI商品開発・藤原朋さん:
去年もそうですけど、ことしもこうやって甚大な水害に遭われてしまって、テレビで見た時に、すぐに自分でできることをやらせていただけたらいいなと思って来ました
なぜ何度もボランティアに訪れるのか。それは過去の災害をきっかけに、特別な絆で結ばれているからだという。

2011年3月に起きた東日本大震災の時、五城目町の老人クラブのメンバーは、津波が押し寄せた大槌町に旅行していた。宿泊先のホテルの従業員が避難誘導をしてくれたため、全員無事に町に帰ることができた。

その後、恩返しのために五城目町の観光協会が大槌町で炊き出しをするなど、交流が続いている。
「笑顔があふれる状況をつくってくれたことがうれしい」

藤原さんらは19日、水や消毒液、おにぎりや冷凍食品などを町に贈ったほか、かき氷を町民に振る舞った。
記者:
かき氷はどうですか?

子ども:
おいしい!
記者:
ことしはかき氷を食べたのは何回目ですか?
子ども:
1個しか食べてない。ことし初めて食べた

小学生:
2~3年ぶりのかき氷なので、おいしかったです。遠いところから来てくれて、ありがたいと思います

おかわりをオリジナルで作る子どもの姿もあった。

中学生:
おいしい、やっぱり自分で作ったものだと甘くておいしいです。意外とうまくできました

保護者:
とてもうれしい、ありがたいです。水が止まっているので、料理も掃除も大変なんですけど、その中で少しでも、子どもたちの笑顔がいっぱいあふれる状況をつくってくれたことがうれしい

22日は、町で大槌町の名物・鹿肉などを使った料理が振る舞われる。
震災で生まれた絆が、復旧への確かな力になっている。
(秋田テレビ)