7月20日に開幕したFIFA女子サッカーワールドカップ2023。

“世界一奪還“へ、新生なでしこ(世界ランキング11位)は22日、ザンビア代表(同77位)を相手に初戦を迎える。

宮澤ひなた
宮澤ひなた
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その女子日本代表のキーマンの一人がワールドカップ代表初選出の宮澤ひなた(マイナビ仙台レディース)23歳だ。

現在のなでしこを率いる池田太監督が率いた2018年のU-20女子ワールドカップでは、決勝のスペイン戦で先制点をマーク。ヤングなでしこの世界一に大きく貢献した。

悲願のフル代表入りを果たす中、そこには家族との特別な思いがあったという。

『遠征にはお金は出せない』母の苦悩

代表発表を受けた記者会見。宮澤はこう語った。

右:幼少期の宮澤ひなた 左:母の貴代さん (チーム提供)
右:幼少期の宮澤ひなた 左:母の貴代さん (チーム提供)

「発表で名前が呼ばれたと同時に、まずお母さんに電話して、2人で泣いて、いろんな感情がこみあげてきた瞬間でした」

幼少期の宮澤ひなたのユニフォーム姿 (チーム提供)
幼少期の宮澤ひなたのユニフォーム姿 (チーム提供)

3歳上の兄の影響でサッカーを始めた宮澤。実はサッカーに打ちこむ兄妹を女手ひとつで支えてきたのが、母の貴代(たかよ)さんだった。

宮澤ひなた
宮澤ひなた

その時の様子について宮澤は「パートを2つかけもちしていましたね。自分が小学校のときからずっとです。『スパイク欲しい、ボール欲しい』と小さい頃は無意識で言ってましたが、当時、お母さんはどんな気持ちだったのかなと、今振り返れば思います」と話す。

左:宮澤ひなた 右:母の貴代さん (チーム提供)
左:宮澤ひなた 右:母の貴代さん (チーム提供)

そして母・貴代さんは「『遠征にはお金は出せない』と言ったことが1回あって『ごめんね』って言ったことあります。母子家庭だから(サッカーを)させられなくなるとか、それは自分の中で許せなかったですね」そう当時を振り返る。

そんな苦労を経てのフル代表入り。母への感謝、そして恩返しの時が迫る。

なでしこジャパンへの誓い

この宮澤は4年前のW杯では代表選考から漏れ、代表メンバーのトレーニングパートナーを務めた経験の持ち主でもある。ついにつかんだ「なでしこジャパン」代表メンバーの座。そこでの飛躍をこう語る。

宮澤ひなた
宮澤ひなた

「本当に代表って、自分の特徴に自信がある選手が集まっている場所だと思うんですけど、スピードは誰にも負けたくないというのはあります」

宮澤の最大の武器は50m走6秒8のスプリント力。

「スピードを生かしたドリブルだったり、裏への抜けだしというところは強みというか、自信があります」

そしてU-20女子ワールドカップでともに戦い、世界の頂点に駆け上がった指揮官への思いをこう語る。

「U-20で一度世界一を取っていて、次はなでしこジャパンのフル代表として、やっぱり世界一取りたいですし、もう一度(池田)太さんを世界一の監督にしたいです」

“世界一奪還”へ、新生なでしこの戦いが間もなく始まる。

※写真はチーム提供

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7月22日(土)放送休止
7月23日(日)23時15分から
フジテレビ系列で放送