アメリカや中国、ロシアの外相らが参加したASEAN=東南アジア諸国連合の関連会合は、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり非難の応酬となり閉幕した。

インドネシアで開かれたASEAN関連の外相会合では、ロシアのウクライナ侵攻について、アメリカのブリンケン国務長官をはじめ各国から非難が相次ぎ、ロシアのラブロフ外相は西側諸国の武器供与で争いが激化したと主張し、激しく対立した。

中国が海洋進出で領有権を争っている南シナ海の問題をめぐっては、中国外交トップの王毅政治局委員が、紛争を防ぐためのルールの策定について「早期締結に向けて建設的な役割を果たしたい」と述べたが、各国からは緊張の高まりへの懸念が示された。

北朝鮮が繰り返している弾道ミサイルの発射に対しては、ASEAN地域フォーラムの議長声明で「更なる実施を控えるよう求める」との表現が盛り込まれる方向。
ASEAN加盟国の共同声明では、軍が実権を握るミャンマーで空爆や砲撃が続いていることを強く非難した上で、暴力の即時停止などを引き続き目指すことで一致した。
また、タイの外相が身柄を拘束されているアウンサンスーチー氏と面会を実現したことについても「いくつかの加盟国は前向きな進展と受け止めている」と明記された。
ただ、ASEANと調整せずに独自の動きを強めたことで足並みが乱れたとの批判もあり、「どんな活動もASEAN議長との調整のもとで行われるべきだ」と付け加えた。