おやつが大好きな保育園児から「なんでごはんは1日3回食べないといけないの?」という疑問が届いた。1日3食の謎を解くため専門家に話を聞いた。

お菓子はもりもり食べるけど…

石川県内に住む織田椿奈ちゃん(5)から毎日の食事に関する質問が届いた。

織田椿奈ちゃん
織田椿奈ちゃん
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織田椿奈ちゃん:
なぜごはんは1にちに3かいたべないといけないの?

ごはんよりもおやつが好きで、保育園から帰ってくるとすぐにおやつを食べてしまうという椿奈ちゃん。この疑問を解決したいのは椿奈ちゃんだけではない。

父・巧也さん:
お菓子はもりもり食べるんですけど、ごはんは全然もりもり食べてくれないんで
母・亜希さん:
ごはんを出しても一口も食べんと「きょういらんわ~」って言うことがよくあります。ごはんを食べることは大事だということを分かるように伝えてほしいです。

おやつを食べたい椿奈ちゃんと、おやつもいいけどごはんをたくさん食べてほしいご両親からの切実な疑問だ。

1日3回食べて必要な栄養素を摂る

疑問を解消するためやってきたのは北陸学院大学。栄養学を専門とする新澤祥恵教授に聞きいた。

新澤祥恵教授
新澤祥恵教授

北陸学院大学 新澤祥恵教授:
食事から摂れるのはエネルギーだけでなくて色々と必要な栄養素がある。

食べ物は大きく3つのグループに分けられる。肉や魚、卵などに多く含まれるたんぱく質は、筋肉や血を作る元となる栄養素で、体を大きくするのに欠かせない。米やパンなどに含まれる糖類は体を動かすための栄養素。元気いっぱい遊ぶためには欠かせないものだ。そして野菜や果物などビタミンやミネラルを多く含む食品は体の調子を整え、病気にかかりにくくなると言われている。この3つのグループからバランスよく食事を取ることが大切だ。

新澤教授:
一回の食事で全て食べようと思うとなかなか食べられないので、3回に分けてきちんと食事をとってくださいと言っている。

お皿いっぱいに乗ったこちらの野菜。

ほうれん草や人参、トマト、きゅうり…5歳の椿奈ちゃんが1日に必要とする野菜の量だ。その重さは240グラム。これを1度の食事でとるのはさすがに難しい。だから1日3食に分けて食べることが大事なのだ。

でも、椿奈ちゃんが好きなおやつも糖類だからお米やパンの代わりにはならないのだろうか?

新澤教授:
お菓子は私たちにとって甘いとか食べるのがとても楽しみだし元気が出るんです。だから食べちゃいけないということはないんですけど、食べすぎないでねって。ごはんとごはんの間に少し食べるのはいいんだけどお菓子だけでごはんの代わりにはならない。

朝・昼・晩とバランス良く食事をとることが健康で丈夫な体を作ることにつながる。しかし元々は1日3食ではなかったことをご存じだろうか。

昔の日本人は1日2食だった

元々日本人は朝ごはんと夕ごはん、1日2食の生活だった。

国立図書館提供
国立図書館提供

しかし江戸時代になって1日3食の生活に変わる。理由は、明かりの普及だ。それまで高価なものとされていた「菜種油」が庶民でも手に入るようになり明かりがとれるようになった。

新澤教授:
そうするとみんなの働く時間が長くなってしまって、朝ごはんと晩ごはんの間が長くなるので何か昼食を食べる。

明かりがもたらした生活スタイルの変化によって1日3食となったのだ。さらに、椿奈ちゃんが好きな「おやつ」。その語源も江戸時代にあった。

新澤教授:
3時っていうのは昔の言い方で言うと”八つ”なんです、八刻っていうんです。だからそれが“おやつ”になったそうなんです。

今で言う午後2時から4時頃の「八刻」と呼ばれる時間。そのちょうど小腹が空いてくる八刻に食べる軽食のことを御八つと呼んでいたそうだ。

新澤教授:
子どもは小さい頃、消化の機能が十分に発達していないのでごはんで栄養をとらないとちゃんと大きくなっていかない。食事はきちんと3回食べて欲しいと思うし、もしも間にお腹が空いたらお菓子を食べて美味しかったなって思ってもらえればいいかな。

(石川テレビ)

石川テレビ
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