トラブル続きのマイナンバーカードをめぐり、河野デジタル相の新たな発言が、さらなる波紋を広げている。

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河野太郎デジタル相:
マイナンバーカードという名前についても、どうするかというのは議論の対象になると思います。

「マイナンバーカード」という、カードの名前そのものを変更することも議論の対象に。

事の発端は7月2日のテレビ番組だ。

河野デジタル相は、「マイナンバーカード」という名前が「マイナンバー制度」と混同しやすい現状があるとして、「次にカードを更新するときには、マイナンバーカードという名前をやめた方がいいんじゃないか」と発言した。そして、4日も。

河野太郎デジタル相:
マイナンバー(制度)とマイナンバーカードというのはそもそも違うものですが、名前のために世の中で混同されていることがしばしばあります。

マイナンバー制度とマイナンバーカードの違い

マイナンバー制度は、国民一人一人に与えられている個人番号そのもの。社会保障や税などの法律で定められた分野で、効率的に情報を管理するために運用されている。

一方、マイナンバーカードは、個人番号のほか、氏名や生年月日などが記載された、本人であることを証明するもの。これを用いて、行政サービスなどを受けることができる。

河野デジタル相は、名称変更の議論の対象になるのは、今あるカードではなく、2026年中の導入を目指す次のマイナンバーカードだとも発言した。

河野デジタル相が発言した名称変更について、街の人からは否定的な意見が多く聞かれた。

街の人:
名前を変えたところで。例えば、消費税が昔、違う名前だったような感じですかね。何も変わらないと思います。

街の人:
名前が変わったとてね。いろんなミス出てますでしょ。それが変わるわけではないから。

街の人:
もっと日常で使えるように仕組をみ整えるとか、そっちの方がよっぽど優先かなと思うんですけど。

政府は検討を否定…与党内で批判の声も

松野官房長官は3日、名称変更について「政府として検討しているものではない」と発言。

デジタル庁の担当者も「河野大臣本人がそう思っているだけ」という。

さらに、マイナンバーカード問題が支持率急落・解散見送りの一因となった政府与党内からは、河野デジタル相の発言に怒りの声も聞かれた。

自民党議員:
河野太郎は余計なことばかり言う。火のないところに煙ばかり上げて。少しは黙ってろって話だ。

折しも4日、マイナ保険証をめぐり、全国293団体で“ひも付け”の方法が不適切だったことが明らかに。

マイナンバーカードをめぐり様々な不協和音が聞こえる中、岸田首相は4日、自民党の役員会で「関係閣僚にしっかり説明を尽くさせる」と述べた。

(「イット!」7月4日放送より)