公開から半年以上たった今も盛り上がりが続く人気バスケットボール映画「THE FIRST SLAM DUNK」。映画に登場する強豪校「山王工業」が、当時の「能代工業」がモデルとされていることから、秋田県内の映画に関連するスポットには、国内外から多くのファンが訪れている。

入荷してもすぐ売れるような状態

ファンの「聖地」の一つ・能代市には今、SNSを中心に注目を集めているものがある。地域の魅力を発信する起爆剤となるかもしれない。

佐藤愛純アナウンサー:
「バスケの街」、「木都」としても知られる能代市。今、両方の魅力を感じられるあるものが注目を集めている

そのあるものを市内で唯一手に入れることができるのが、能代市柳町の能代バスケミュージアム。

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あるものとは「秋田杉プレート」だ。バスケットボールのコートが表現されていて「能代・バスケットボール」の文字が描かれている。大きさは、縦13cm、横25cm。県産の秋田杉で作られていて、一つ一つ木目が異なる。

渡辺事業所・渡辺恒さん:
木都・能代ということで木を使った土産物ということで、能代カップなどに来られるお客さんたちにお土産として買っていってもらえればと思いまして、去年3月ごろに考えました。作るほうも追い付かなくて、入荷してもすぐ売れるような状態ですね

このプレート、なぜ今話題になっているのか。

佐藤愛純アナウンサー:
スラムダンクに出てくる山王工業高校の選手のフィギュアを、プレートの上に置いて写真を撮る人が増えている

きっかけは、能代バスケミュージアムのSNSだ。

Twitterの投稿:
バスケコートのデザインは山王工業メンバーを並べるためのものだったんですね。スタメン5人を並べても、全員を並べても、推しだけでも…よし

プレートにフィギュアを乗せた写真がファンの心に火をつけたようだ。

投稿された4月下旬以降、プレートの売り上げが急増。1月・2月の販売数は「0」だったが、5月は63枚、6月はすでに45枚以上売れている。5月に開かれた高校バスケットの大会「能代カップ」の期間には、県外からのファンが押し寄せたものの在庫がなく、予約をして泣く泣く帰っていったという。

訪れたファンは大喜び

6月26日にミュージアムを訪れてみると、平日にもかかわらずファンの姿があった。

青森県から来たファン:
Twitterでプレートを見ていました。実物を見たかったなと思っていました

青森・弘前市から来たという2人。実際に選手のフィギュアを置いて写真を撮っていた。

青森県から来たファン:
かわいい。満足です。かわいいですし、飾りたくなりますね

能代バスケミュージアムの担当者:
1枚あります。もし購入されるのであれば、その1枚分は大丈夫です

青森県から来たファン:
フィギュア飾りたいので、あるなら買っちゃおうかなと思います

ファンは大喜びの様子だった。

地域の魅力を発信する起爆剤に

このプレートをミュージアムとともに手がけたのは、市内の製材会社・渡辺事業所。そして加工を担うのは、誰でも自由に木の制作が楽しめる能代市技術開発センター・木の学校。制作の現場にお邪魔した。

まずは機械を使ってプレートの表面にレーザーでコートを描く。プレートをカットし、汚れがつきにくいよう表面を加工したら完成だ。

1日に作れる量は20枚ほど。5月からは市のふるさと納税の返礼品に登録され、1カ月で100件以上の寄付があった。生産が追い付かない状況が続いている。

渡辺事業所・渡辺恒さん:
飲み物とかをあげてもらうつもりで作ったのですが、いろんな使い方があるのだなと思います。木都・能代ということで秋田杉を製材しているので、秋田杉をたくさん使ってもらえるように県外のお客さんにも良さを知ってもらえればと思っています

木都ならではの技術とバスケの街を盛り上げようと生まれたデザイン。さらなる市のにぎわいと街のブランド力向上の起爆剤となるかもしれない。

(秋田テレビ)

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