自動車の車検で保安基準に適合していることが確認されると「車検ステッカー」が交付され、これまでは車のフロントガラス上部のルームミラーの裏側に貼られていたが、7月3日から「運転席側上部で車の中心から可能な限り遠い位置」、つまり運転席から見て上の端に変更になった。そこには、富山県が運営する学校でも発覚した理由があった。
技術専門学院で発覚した車検切れ
富山県内で2023年6月1日、車の整備技術を指導する「県立技術専門学院」で、学校が管理するライトバンの車検の有効期限が4カ月前に切れていたことに気づかないまま、職員が公道などで走行していたことが分かった。

原因は、「職員が車検の手続きを忘れていた」と県が発表したが、4カ月の間、車の整備技術を指導する学校で、しかも複数の職員がこの車を利用していたのにも関わらず、車検切れに気づくことができなかったことになる。

国土交通省が平成30年から31年(2018年から2019年)に街頭で実施した検査によると、検査対象3万7,403台のうち43台が車検切れで走行しており、車検切れ運行率は0.11%となっている。

今回、車検ステッカーの張り付ける位置を変更した理由の一つとして、「特に公用車や社用車など、皆で乗る車をチェックすることに活用できれば」とされている。
従来は見えにくかった? 位置は“上端に”変更
車検ステッカーを貼り付ける位置は、これまでフロントガラスの真ん中の上部分と決められていたが、これだと運転席からはルームミラーの陰に隠れ、見えにくくなっていた。

車検を扱うGOEN 辻大貴専務取締役:
従来は真ん中の位置でしたが、今回7月3日からは運転席の右側に貼ることが推奨された

近年、ドライブレコーダーを取り付けている車が多くなっていることも、車検ステッカーを見えにくくする要因となっているという。
車検を扱うGOEN 辻大貴専務取締役:
今まで貼っていた場所にドライブレコーダーを付けることが多いので、そうすることによって見えにくかったりというので、皆さん気が付かなかったのかなと思う

国土交通省が定める車検ステッカーの位置は、「前方、かつ運転者席から見えやすい位置」。具体的には、「運転席側上部で車の中心から可能な限り遠い位置」と決められた。

今回の変更により、運転する人が車検の時期をより確認しやすくなり、特に公用車や社用車など皆で乗る車の車検切れ防止につながるとしている。
次回の車検から新ステッカーを所定の位置へ
車検切れによる車両走行は道路運送車両法違反となり、6カ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科されるといい、2022年、警察による車検切れの取り締まり件数は、富山県内でも22件確認されている。

車検ステッカーの位置は「前方、かつ運転者席から見えやすい位置」だが、右ハンドルの場合は右端の上部に、左ハンドルの場合は左端の上部となる。
これまで貼り付けていた車検ステッカーは貼り直す必要はなく、次回、新しく受け取った際に所定の場所に貼り付けてほしいという。
(富山テレビ)