子どもへの性暴力のない社会を目指そうと、富山市で子どもが受けた性被害の実情を知るための講座が開かれました。

この講座は、子どもへの性被害が全国的に相次いでいることを受け、県の相談窓口
「性暴力被害ワンストップ支援センターとやま」が開いたものです。

登壇したのは朝日新聞社に勤める大久保真紀さんで、これまで8年にわたって、性被害者、加害者合わせておよそ80人を取材しています。

講座では、性被害の実情や被害者が被害を受けたあと、何十年にもわたってトラウマを抱えていることなどそのケアがいかに難しいかを大久保さんが実際に取材した生の声を伝えました。

*朝日新聞社 大久保真紀さん
「とにかく共通認識にしなきゃいけないのが『性的同意のない行為は性暴力』をキホンのキに。『何があっても悪いのは加害者である』ことをキホンのキに」

県の相談窓口によりますと、性被害の相談件数は近年、年間1000件を超えています。

昨年度は1051件で、このなかで0歳から19歳までが受けた被害は441件と全体の4割ほどを占めています。

*朝日新聞社 大久保真紀さん
「(42%という数字は)子どもの被害が多いと捉えているかもしれないが、そうだと思う。他の県では子どもの被害の割合がもっと多いところも」

この数字について、県の相談窓口は、子どもの場合は「性被害を受けたことに自分で気がつけない」「周囲に言い出せない」ケースが多く、氷山の一角だと捉えています。

子どもが受ける性暴力は、親や兄弟、または教員などの身近な大人から、他には、子ども同士で起こる場合も少なくありません。

国は去年、「子ども性暴力防止法」を制定し、来年には子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないか確認する制度「日本版DBS」が始まります。

*朝日新聞社 大久保真紀さん
「『悪いのは加害者』を共通にしておくことが必要。これは誰にでもできること。それをスタート地点にして、DBSなどの制度を積み重ねることが必要」

富山テレビ
富山テレビ

富山の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。