秋田・大仙市に自社工場で靴を製造する企業がある。高い技術を誇り、多くのブランドの靴を受注・生産している。その企業がオリジナルブランドを立ち上げた。自慢の靴を広く売り出そうと奮闘中だ。

新しい挑戦「SEAM.SHOES」

大仙市飯田で革靴やパンプスなどを製造する「ユーイーアイ」。従業員は24人で、小規模の企業ながら革の裁断から靴の成型まで、一貫して生産している。

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男性用を中心とした靴ブランド「マドラス」や「スピングル」などの商品を請け負い製造するOEMが専門だが「ユーイーアイ」は2022年、新たな挑戦に乗り出した。

ユーイーアイ・加藤淳弥社長:
今回初めて自社ブランドを作りまして、企画から生産まで一貫して行っています

立ち上げたのは「SEAM.SHOES(シーム・シューズ)」。プライベートでもオフィスでもシーンを問わず、年齢や性別に関係なく自由に履ける革靴がコンセプトだ。

ぴったりな履き心地

国産の本革を使用し、水をはじき蒸れにくいなど機能性が高い上に、幅広いサイズ展開が自慢。

製造するサイズは22cmから30cmまで。「欲しいけれどサイズが合わない」という悩みを抱かせない。サイズは1cm刻み。一般的には5mm単位の展開が多いが…。

佐藤愛純アナウンサー:
こちらの靴は、アジャスターインソールという中敷きを使ってサイズを調整します

ぴったりのサイズに調整できる。佐藤アナウンサーが普段履くのは24.5cm。「シーム・シューズ」は一般的な靴よりも大きめの作りということで、24cmを履いてみると…。

佐藤愛純アナウンサー:
ちょっと大きいです。いま2mmのインソールを入れました、履いてみます。先ほどよりもフィットしたように感じます。これなら左右で足の大きさが違う人も、その悩みが解消されます

自慢の靴を多くの人に知ってもらおうと、先日人気セレクトショップ「BEAMS(ビームス)」の東京・新宿の店舗で期間限定で販売された。20日間で約60足が売れ、高い評価を得たという。

ユーイーアイ・加藤淳弥社長:
弊社のような初めてのブランドがなかなか出られるところではない。外国人のお客さまも含めて、様々な人に「面白い商品だね」と大変ご好評をいただき、同業者からも履き心地や防水性・機能性といったところに着目してもらっている

コロナ禍を乗り越え…

実は、ここに至るまでには数々の苦労があった。近年オフィスでの服装のカジュアル化と価格が安い輸入品のシェアが増え、国産の靴の需要が低下。他社からの受注が減った。

これに対応しようと立ち上げた自社ブランドだったが、本格的に売り出そうとしていた矢先に新型コロナウイルスの感染が広がり、状況が一変した。行動制限などで外出が制限された上に各地のイベントなどが中止。受注はコロナ禍前の半分ほどの状態が何カ月も続いた。

会社の立て直しを優先させたため、自社ブランドはいったん開店休業状態になった。こうした状況を乗り越え、「シーム・シューズ」は2022年にようやく本格始動した。

ユーイーアイ・加藤淳弥社長:
蓄積された技術や経験を生かしていけるように、新たな商品開発にさらに一層励んでいきたい。まずは国内で知っていただいて、お客さまに履いていただいて、その先に海外、アジア・欧米を目指していければと思っています

多くのブランドの思いを形にしてきた「ユーイーアイ」。確かな技術とともに、今後は独自の商品を通して多くの人に快適な日常を提供する。

(秋田テレビ)

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