2023年、シーズンのリーグ前半戦を終えた明治安田生命J2リーグでは、ロアッソ熊本は暫定8位で折り返している。後半戦での巻き返しを誓うチームの意気込みを紹介する。

目標に達せず…後半戦で「借金返せ」

6月の練習では、ロアッソ熊本の大木武監督(61)の声がピッチに響いた。

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ロアッソ熊本・大木武監督:
頭、回せよ。60歳の死にそうな親父が分かっているんだぞ。理屈を分かれ。丸暗記するんじゃなくて、理屈を分かれ

選手たちを指導する大木監督
選手たちを指導する大木監督

“直球”な物の言い方でピリッとした空気感だが、これがいつもの“大木節”だ。選手たちは日々、上を目指して汗を流している。

チームは2023年、今シーズンのリーグ戦42試合を7試合ずつ6クールに分けて考え、1つのクールで勝ち点「13」、シーズンを通しては前年を上回る勝ち点「78」以上を目標に掲げている。

前半戦を終え、成績は1クール目で勝ち点8、2クール目で勝ち点12、そして3クール目で勝ち点10と、いずれも目標の「13」には達していない。

ロアッソ熊本・大木武監督:
(この数字は)ダメですね、だって「13」と言ったんだから。「借金は返せ」と言っている。「(後半戦で)上積みしろ」と。(今後について)もっと何かやることが変わったりとか、もっと徹底されるとかそういうことですね

厳しい監督も“大好物”には思わず笑顔

ここまではいつもの厳しい表情の大木監督だが、ある食べ物を差し入れすると目じりが下がった。

ロアッソ熊本・大木武監督:
もらったら、ガラッと態度が変わるかもしれない

アイスクリームを差し入れしたのには理由がある。さかのぼること半年前の2022年12月に放送された「スポーツウェーブくまもと」で次のような場面があった。

テレビ熊本・浜田友里子アナウンサー:
アイスクリーム好きですか?

ロアッソ熊本・大木武監督:
大好き

テレビ熊本・浜田友里子アナウンサー:
レディーボーデンが好きという情報をネットで見て…

ロアッソ熊本・大木武監督:
昔はハーゲンダッツがなくて、大きなカップを俺がたくさん食べるから、母親が友達に1人1個ずつ出して…。アイスクリームは今でも好き

テレビ熊本・浜田友里子アナウンサー:
覚えておきます!

暑さに負けず後半戦を戦い抜いてほしいとの思いを込めて、大木監督に大好きなアイスクリームを差し入れした。

ロアッソ熊本・大木武監督:
いただきます。うまい。でも、練習の後だから口の中メチャメチャだね。うまい!

そして、帰り際には監督からこんな声が…。

ロアッソ熊本・大木武監督:
なんていうテレビ局?

記者:
テレビ熊本です

ロアッソ熊本・大木武監督:
いつも愛想いいけど、今後は倍くらい愛想よくインタビュー受けます

記者:
よろしくお願いします

注目のMF大本選手とFW粟飯原選手の武器

主力選手たちがけがで離脱し苦しい状況が続くが、他の選手たちにとっては活躍するチャンス。中でも注目は、J3のFC琉球から加入した背番号9・MFの大本祐槻選手(28)だ。瞬間移動したかのような快速ぶりにサポーターも驚いている。

ロアッソ熊本のサポーター:
速いです。ピューンといきますよね

ロアッソ熊本のサポーター:
サイドで足が速いので、島村選手とも相性がいいし、もっとサイドで頑張ってほしい

ロアッソ熊本・大本祐槻選手:
昔からずっと(足が)速いと言われてましたし、自分自身でも一番のストロングポイントだと思っているので、そういうところを使って熊本の勝利に貢献したい

そんな大本選手には、実は面倒見がいい一面がある。大けがをして手術した三島選手にはアイスクリームを差し入れしたり、島村選手の誕生日にはおすしをごちそうしたりしている。

ロアッソ熊本・大本祐槻選手:
いろんな選手とご飯行ったりだとか、そういうところでコミュニケーションを取って、ピッチ外のところでも(関係性構築を)しっかりできたらいい

FW粟飯原尚平選手
FW粟飯原尚平選手

また、得点面で期待されるのが、背番号11・FWの粟飯原尚平選手(27)だ。

ロアッソ熊本のサポーター:
レフティーモンスター

ロアッソ熊本のサポーター:
石川選手の代わりに2桁得点を目指してほしい

粟飯原選手おすすめの「オム豚定食」
粟飯原選手おすすめの「オム豚定食」

北海道出身で、熊本に来て2年目。慣れない土地での暮らしで“胃袋”を支えるのが、熊本市北区弓削にある飲食店「ぐり~んすぽっと」だ。チームメートとも来ることがあり、おすすめは「オム豚定食」だという。

ロアッソ熊本・粟飯原尚平選手:
豚の炒め物にオムレツ、スクランブルエッグみたいなのがのっていて、他で食べられないし、なかなか見ない。おいしいのでよく行かせてもらっています

熊本市にある飲食店「ぐり~んすぽっと」
熊本市にある飲食店「ぐり~んすぽっと」

店には、10年ほど前から選手たちが来るようになったという。

「ぐり~んすぽっと」マスター・相良貴弘さん:
ありがたいですね、しょっちゅう来てくれるので。食事しているときには、選手に声を掛けないようにしている。プライベートな時間だし、ゆっくり食べてほしい。とにかく頑張ってほしい、けがなく。結果残して、いいJリーガーになってほしい

ロアッソ熊本・粟飯原尚平選手:
きのう(取材前日)行ったんですよ。そしたらご飯食べ終わった後に(取材が)あると言われて。「本当にここでいいんですか?」と言われたので、「よろしくお願いします」と言った

リーグ後半に向けて粟飯原尚平選手は、「自分の得点がチームの勝敗に関わってくると思うので、もっと自覚しないといけないと思っている」と語った。

J1昇格へ。目標達成のためには、とにかく勝ち点を積み上げるしかない。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
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