今さら聞けないNISA…2024年にどう変わる？「投資枠拡大」「無期限の非課税」で貯蓄を投資へ【広島発】

NISA（ニーサ）は何がお得なの？リスクは？気になっているけれど「投資」への不安があってなかなか手が出せない…。そんな人のためにも、NISA＝少額投資非課税制度について専門家がわかりやすく解説する。

個人のお金を「投資」へ向かわせる制度

聞いたことはあるけれど難しいイメージのNISA。今さら聞けないNISAの制度について、ひろぎんホールディングス・阿部大地さんに教えてもらった。

まずは「NISAって何？」「投資とは？」という基本から。

ひろぎんホールディングス・阿部大地さん：
NISAとは「少額投資非課税制度」のことです。これは「少額」の「投資」が「非課税」になる制度であり、「非課税」であることが最大のポイントです

ひろぎんホールディングス・阿部大地さん：
そもそも「投資」とは何かについてわかりやすく説明します。投資とは「今お金を必要とする会社」に株式や投資信託などを通じてお金を託すことです。会社はそのお金を使って事業を行い、利益を上げます。自分がお金を託した会社が利益を上げるとその会社の価値、いわゆる「株価」が上昇するので、それに伴い自分の資産も増えます

阿部さんの話によると、政府は個人が持つお金を「貯蓄」ではなく「投資」に向かわせて家計を豊かにするとともに、経済を活性化させようとしている。

利益に20％かかる税金がゼロに

NISAの最大のポイントである「非課税」とはどういうことなのか？

ひろぎんホールディングス・阿部大地さん：
通常、株式などの運用で得た利益には約20％の税金がかかりますが、NISAを使えばこれが非課税となります。例えば「つみたてNISA」の制度を利用すると、年間投資枠40万円までは20年間非課税で運用できます。つまり、投資した年から20年間は税金がかかりません

20年間も20％の税金が非課税になるのはお得である。そんなNISAについて、広島の街の人はどのように感じているのだろうか。

20代・女性：
つみたてNISAやっています。ネット証券でやっています。「今、積み立てているのがこのくらい。プラスがこのくらい」とわかりやすく数字で表示されるので、毎日こまめにチェックしています。どんどんプラスになっていくのを見ると、やって良かったなと思います

50代・女性：
普通預金も定期預金も金利が低いので、労働金庫に預けるときに勧められてNISAをやっています。老後、自分にお金がどのくらいかかるかわからない。病気になったときとか

30代・女性：
NISAをしていないけど、お金があったらしたい。子どもがいて物価も上がっている中で給料は上がらないので…

さらにお得？新たに変わるNISA

このお得な制度が来年2024年に変わる。ズバリ、お得感は増すのだろうか？

ひろぎんホールディングス・阿部大地さん：
NISAが2024年からものすごくバージョンアップします。年間投資枠が最大360万円まで拡大され、非課税で投資できる期間も無期限になります

【現行】つみたてNISA
○年間投資枠 40万円
○非課税運用期間 20年間　

【2024年から】新NISA
○年間投資枠 360万円
○非課税運用期間「無期限」　

なぜ、これほどまでにバージョンアップするのか？

ひろぎんホールディングス・阿部大地さん：
政府としても、今後さらに“貯蓄から投資への流れを加速したい”という思いからNISAの制度の拡大が決定されました

加藤アナ：
無期限になると、期間を気にせず長期的な運用ができるようになるわけですね

30歳の加藤アナでシミュレーション

加藤雅也アナウンサーは30歳。加藤アナがNISAを活用して、60歳まで30年間資産運用したらどうなるかをシミュレーションしてもらった。

ひろぎんホールディングス・阿部大地さん：
毎月積立3万円・運用利率3％・運用期間30年間の場合、実際に投資した元本は1080万円で運用益は約670万円。もしNISAを利用しなければ運用益である約670万円に20％の税金がかかるので、約130万円も税金を支払う必要があります。NISAを使えば税金を支払うことなく、利益を全額受け取ることができます

加藤アナ：
節税という点でもNISAは魅力がありますね

衣笠アナ：
そうは言っても「投資」ですから、リスクが心配になっちゃうんですよね

ひろぎんホールディングス・阿部大地さん：
そういった方が多いので、気持ちはわかります。確かに、預金と違って損失が発生する可能性があります。運用はあくまで自己責任です。ただ、今は物価高騰や銀行の預金金利が低い時代なので、すぐに使うお金でなければ将来を見据えて少額からでも資産運用を始めることをおすすめしています