西日本豪雨の被災地・愛媛・西予市野村町で、2020年にオープンしたゲストハウスに、6月11日に新しくカフェが登場した。カフェのオーナーは東京から野村の自然に魅せられ移住してきた夫婦。店内にはやさしい思いが詰まっている。
野村に誕生した憩いの場
テレビ愛媛の鈴木瑠梨キャスターが訪れたのは、2020年に11月にオープンした、ゲストハウスとバーを営む施設。
テレビ愛媛・鈴木瑠梨キャスター：
気持ちのいい空気！豊かな自然に囲まれた愛媛・西予市野村町にやってきました。ここに新たなスポットができたということで早速行ってきます！
オーナーは、西日本豪雨の復興を支援するため2019年から地域おこし協力隊として活動してきたシーバース玲名さん。空き家だった古民家を改修し、自らの手で「夢」を作り上げた。
その名も「entohouse（エントハウス）」。長期的な展望を持つ「遠図」のほか、エントランス（入り口）の意味が込められていて、地元の人だけでなく地域を超えて多くの人が集う憩いの場になっている。
エントハウス オーナー・シーバース玲名さん：
普段は夜、2階が宿で、下がバーとしてやっているんですけど、今度からランチもやってもらうようになって
地元食材を使った絶品グルメ
エントハウスでランチを提供するのは、6月1日に登場した「Toki Cafe’」だ。店主は2023年3月に野村に移住してきた重信迅さんで、特に食材にこだわっている。
Toki Cafe’・重信迅さん：
こちらがサラダですね。西予市の無農薬のお野菜を全部使っているので
サラダは地元で日々、畑を見て、おいしそうな野菜があったら購入。農薬や肥料は使われていない。そして、ランチのメイン料理はオムライス。こだわりの卵も西予市産だ。
Toki Cafe’・重信迅さん：
完全放し飼いの卵、放牧されているニワトリの卵です
ニワトリを自由に走り回れる環境で育てた「完全放牧卵」。ストレスフリーな環境で育ったニワトリは、臭みがないおいしい卵を産むという。
味をひきたてるのは、トマトをベースに、タマネギやニンジンを煮詰めて、野菜本来の甘さを生かした特製ソース。たっぷりかけたら、完全放牧卵を使ったオムライスランチの完成だ。
テレビ愛媛・鈴木瑠梨キャスター：
いただきます。うん、卵とろっとろです。またこのソースとよく合います。野菜の自然な甘みが感じられておいしいです
食後は、重信さんの奥さんが手作りするキャロットケーキ、スコーンなどのスイーツもおすすめ。
“豊かな自然”と“人のあたたかさ”
重信夫妻が野村町に移住した理由は…。
Toki Cafe’・重信迅さん：
野村がすごく自然豊かできれいで、子育てもしやすそうで、周りの人たちもすごくいい方で、ここにしようって決めました。お野菜とかも頂いたりしてて、東京ではあまりすれ違ってもあいさつとかしないと思うんですけど、（野村は）みんなすれ違ったらあいさつとかしてて、フレンドリーだなって思います
重信さんは鹿児島の奄美大島出身。元々は東京でフレンチのシェフをしていたものの、子どもが生まれ、子育てをしやすい環境を求めて移住先を探していた。そんなとき、西予市に住む知り合いを訪ねて愛媛を訪れ、豊かな自然に加え、人のあたたかさに魅せられたという。
ただ、重信さんには“ある思い”があった。
Toki Cafe’・重信迅さん：
すごくいいところなんでけど、なかなかご飯を食べられるところが少なくて。食材はいっぱいあるけど、やられている方っていうのがこのあたりではいなくて
お昼も野村に活気を。そんな思いで始めたカフェ。
オープン初日から、お客さんが楽しいひとときを過ごしていた。
地元の住民：
野菜のソースがすごくおいしい。こっちの方でランチをしようと思っても、どこ行こうかなって感じなので、こういったおしゃれなところでお昼ご飯食べられたらいいんじゃないかと思います
バーの常連さん：
おいしいです。ソースが独特かなと
ーー野村にこういう場所ができてどう？
バーの常連さん：
いいですね。野村には夜だけでなく昼間も来れるっていうのは
Toki Cafe’・重信迅さん：
同じようにカフェをやりたい人は、やってもらいたいって思いますし、どんどん私たちきっかけじゃないですけど、何かやろうって人が増えてきたらいいと思います
野村のあたたかい人たちに囲まれながら、重信さん家族は食で野村を盛り上げる。
（テレビ愛媛）
