愛知県西尾市で5月12日の午後、名古屋鉄道の踏切を通過したトラックのクレーンが架線を切断する事故があった。この影響で停電が発生し、名鉄・西尾線と蒲郡線は約2時間半にわたり、全線で運転を見合わせた。
地震対策としても生かされる架線の仕組み
架線に関するトラブルはしばしば発生している。5月17日には東北新幹線で、架線にヘビが焦げて引っかかった影響で停電が発生し、一時運転を見合わせた。4月には関東で、架線に洗濯物が引っかかった影響で、列車が一時運転を見合わせた。
また、2022年12月には、愛知県安城市の東海道新幹線で架線のショートによる停電が発生し、約4時間にわたって運転を見合わせたこともあった。

架線とは、列車に電気を供給する電車線のこと。鉄道会社の変電所から列車に架線で電気を送り、列車は車両の上についているパンタグラフで電気を受けてモーターを動かし、列車はレールの上を走る。

この仕組みは地震の対策に活かされている。
新幹線では、地震計が地震を感知したら自動的に列車を止める「地震防災システム」を導入している。地震計が一定以上の地震を検知したら、架線への送電を停止し、列車を停止させるという仕組みだ。

JR東海によると、地震を検知してから止めるべきかどうかの判断に要する時間はわずか1秒だという。
2023年5月19日放送
(東海テレビ)