施設へ持ち込めば有料ゴミ袋が不要

住民が次々に車で詰めかけている場所があると聞き、取材班が向かったのは京都府南丹市の京都中部クリーンセンター。

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近隣住民が、ゴミ処理施設に家庭で出たゴミを持ち込んでいた。

南丹市と京丹波町の組合が運営するこのゴミ処理施設にゴミ出しを待つ人の車の列ができていた。

なぜゴミを直接持ち込むのだろうか?

住民がその答えを明かしてくれた。

ゴミを持ち込んだ住民A
ゴミ袋が結構高いので、施設にほかし(捨て)に来てる

ゴミを持ち込んだ住民B
可燃ゴミの袋がちょっと高かったりするので、買うのがね(もったいない)

指定された有料のゴミ袋が高いというのだ。

一体いくらで売られているのか?地元の店で確認すると…

45Lのゴミ袋は10枚で792円。1枚当たり79円は確かに少し高く感じる。

物価高の波が押し寄せる中、住民たちが編み出したのが直接持ち込みの節約術だ。

ゴミ処理施設に直接持ち込む場合、半透明であればレジ袋や市販の袋でもOK。重さが50kg以下なら無料で引き取ってもらえるのだ。

ゴミ袋を売る店の人
前ほど売れなくなった。やっぱり高いから…

指定のゴミ袋を買わなくて済む“裏技”に、住民は助かっていると話す。

ゴミを持ち込んだ住民C
この施設を利用してからは、有料ゴミ袋を買ったことがなかったので、とても助かっています

この施設への可燃ゴミの持ち込みは2019年度に335トンだったものが、2022年度には576トンと約1.7倍に急増している。

本来は引っ越しの際など一時的な利用を想定

しかし施設側は家庭ゴミの持ち込みに困惑している。

京都中部クリーンセンター職員
少量のゴミであっても同じだけの時間は当然かかりますし、当然コストもかかりますし、職員を増やさなければ対応ができなくなってきます

京都中部クリーンセンターによると、無料持ち込みは引っ越しなど一時的に大量の家庭ゴミが出た際に利用するもの。そのサービスをあてに少量のゴミを持ち込む人が増えたことで対応にあたる職員の数を倍増させたという。

苦肉の対抗策は持ち込み手数料の有料化

対応に苦慮する施設では、10月から家庭ゴミの持ち込みに対して50kg以下で一律900円の手数料を求めることを決めた。

ゴミを持ち込んだ住民D
困りますね

ゴミを持ち込んだ住民B
無料だったら一番うれしいですけど、いろいろお金が掛かるなら、まあ仕方ないですね

住民から高すぎるとの声が上がる有料の指定ゴミ袋。

全国で1枚当たりのゴミ袋の値段を比較すると、北海道えりも町では45Lが200円。東京都府中市では40Lが80円など、南丹市や京丹波町よりも高い所もある。

今回の施設では、ゴミ袋による収入はゴミ収集車の維持費や、清掃員の人件費に使われているという。

京丹波町・西山直人課長補佐
近隣と比較すると高いのかなとは思うんですけれど、ゴミ(減量)に対する意識も含めて負担いただいているところはあるんです

行政サービスと住民のコスト意識のあり方が大きな課題となっている。

(イット! 6月15日放送より)