”裏も表も前も後ろもない”みんなに優しい洋服があるーー。
この記事の画像(22枚)シンプルなデザインのTシャツに、ゆったりとしたシルエットのパンツ。その服は、一見普通の服のように見える。
上中勇樹キャスター:
こちらのTシャツ、前と後ろが同じデザインになっています。そして、裏返しても、前と後ろ同じデザインになっています。
裏表も前後もない、どう着ても正解のTシャツなのだ。
上中勇樹キャスター:
パンツも肌触りがよく、柔らかい素材で、とても履きやすいです。
ひっくり返してもそのまま着られる秘密は、素材と縫い方にある。
どちらの面も同じように見える生地を使い、”折り伏せ縫い”など裏表が気にならない縫い方を採用。
タグはポケットの中にあるため、どのような着方をしても見えないようになっている。
そして、靴下はかかとの部分がないタイプ。
上中勇樹キャスター:
裏返してもほとんど履き心地がかわらないです。足首部分もかかと部分も、非常にフィットしています。
従来品と比べてみても、裏表に差がないのがわかる。
この裏表のない服や靴下を販売しているのは、神戸市に本社を置く通販大手のフェリシモ。
確認不要はストレスフリー
裏表両方着られるというと、デザインや色が違うリバーシブルのものがあるが、あえて裏表同じにした狙いとは。
フェリシモ・筧 麻子さん:
裏表違うものが着れたほうがお得かなという気持ちがあったが、(全盲や筋ジストロフィーなどで)困っている人に話を聞きに行ってみると、「裏表があること自体がそもそも問題です」と。「裏表が同じということが大事です」と。
まず、裏表や前後の確認が要らないという、逆転の発想からこうした服が生まれたのだという。
リバーシブルは結局気に入った方ばかり使いがち、という声も後押しになった。
フェリシモ・筧麻子さん:
間違えてしまってがっかりしたりとか、他人や家族に注意されたりがなくなって、服を着ることがストレスになるということが減ると思う。確かめずに着るってすごくストレスがない。
消費者から上がってきた要望を集めてみると…。
フェリシモ・筧麻子さん:
カジュアルな中にも少し改まったシーンにも着ることができるもの…?
「カチッとしている服に挑戦してほしい」など、さまざまな反響があった。
誰もが自分らしく、かっこよく着られる。
ストレスを“楽しい”に変えられる。
服のあたらしいあり方が広がっていきそうだ。
フェリシモ・筧麻子さん:
その人がどういう着方をしても正解ですと。その人が自分らしくいられる。誰にも優しくかっこいい、というのを一緒に考えていけたらいいなと思います。
(「Live News α」6月8日放送分より)