”裏も表も前も後ろもない”みんなに優しい洋服があるーー。

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シンプルなデザインのTシャツに、ゆったりとしたシルエットのパンツ。その服は、一見普通の服のように見える。

上中勇樹キャスター:
こちらのTシャツ、前と後ろが同じデザインになっています。そして、裏返しても、前と後ろ同じデザインになっています。

裏表も前後もない、どう着ても正解のTシャツなのだ。

上中勇樹キャスター:
パンツも肌触りがよく、柔らかい素材で、とても履きやすいです。

ひっくり返してもそのまま着られる秘密は、素材と縫い方にある。

どちらの面も同じように見える生地を使い、”折り伏せ縫い”など裏表が気にならない縫い方を採用。

タグはポケットの中にあるため、どのような着方をしても見えないようになっている。

そして、靴下はかかとの部分がないタイプ。

右だけ裏表ひっくり返して履いていた
右だけ裏表ひっくり返して履いていた

上中勇樹キャスター:
裏返してもほとんど履き心地がかわらないです。足首部分もかかと部分も、非常にフィットしています。

従来品と比べてみても、裏表に差がないのがわかる。

この裏表のない服や靴下を販売しているのは、神戸市に本社を置く通販大手のフェリシモ。

確認不要はストレスフリー

裏表両方着られるというと、デザインや色が違うリバーシブルのものがあるが、あえて裏表同じにした狙いとは。

フェリシモ・筧 麻子さん:
裏表違うものが着れたほうがお得かなという気持ちがあったが、(全盲や筋ジストロフィーなどで)困っている人に話を聞きに行ってみると、「裏表があること自体がそもそも問題です」と。「裏表が同じということが大事です」と。

裏表や前後の確認が要らない服
裏表や前後の確認が要らない服

まず、裏表や前後の確認が要らないという、逆転の発想からこうした服が生まれたのだという。

リバーシブルは結局気に入った方ばかり使いがち、という声も後押しになった。

フェリシモ・筧麻子さん:
間違えてしまってがっかりしたりとか、他人や家族に注意されたりがなくなって、服を着ることがストレスになるということが減ると思う。確かめずに着るってすごくストレスがない。

消費者から上がってきた要望を集めてみると…。

フェリシモ・筧麻子さん:
カジュアルな中にも少し改まったシーンにも着ることができるもの…?

消費者からのさまざまな反響
消費者からのさまざまな反響

「カチッとしている服に挑戦してほしい」など、さまざまな反響があった。

誰もが自分らしく、かっこよく着られる。

ストレスを“楽しい”に変えられる。

服のあたらしいあり方が広がっていきそうだ。

フェリシモ・筧麻子さん:
その人がどういう着方をしても正解ですと。その人が自分らしくいられる。誰にも優しくかっこいい、というのを一緒に考えていけたらいいなと思います。

(「Live News α」6月8日放送分より)